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続 1 : 13 *
内側を解す指を二本、三本と増やす。
「ふ、ぅ……っ」
「痛くない? つらかったら、すぐに言ってね?」
コクコクと、文一郎は必死に頷く。いつもなら悪態を吐いたり、嫌なことがあっても我慢をしちゃったりする子だけど……さすがに、この局面でそれはナシだ。
「先輩、嫌です……っ。俺だけ裸なの、嫌です、から……っ」
「そうみたいだね。……だけど、ごめんね。僕はもう少し、恥ずかしがる文一郎を見ていたい」
「なら、謝るな……っ。この、ヘンタイ……っ」
「あはっ、可愛い強がり。……そんないじらしい悪態を吐かれると、もっと虐めたくなっちゃうよ」
「ひっ、ん、ッ!」
三本の指で、文一郎の【弱いところ】を擦り上げる。そうすると体を強張らせるわりに下半身が悦ぶのだから、可愛くて堪らなかった。
「文一郎の、ココ。さっきからピクピク震えていて、可愛いね」
「そんな、とこ……っ! 可愛いわけ、ないでしょうが……ッ」
「可愛いよ、凄く。甘やかしたくなる」
完全に勃起した、文一郎のペニス。文一郎本人よりも素直なそこは、僕が指を動かすと分かり易く悦んだ。
僕はすぐに、空いているもう片方の手で文一郎のペニスを握った。するとすぐに、文一郎が慌て始める。
「やっ、やめて、駄目……っ!」
「どうして?」
「そんな、後ろも前もされたら……俺、さ、先に……っ」
ふむ。どうやら、文一郎は僕より先に達したくないらしい。もしくは、一人でイクのが嫌なのかも。
でも、そう言われるとしたくなっちゃうのは……兎田君が作った飴玉のせいだと、思いたい。
「んっ、あ、んッ! 駄目っ、やめて、章二さん……っ!」
「やだ。可愛い文一郎がもっと見たい」
「『やだ』じゃなくて、ほんと──ひっ、ん、んん、ッ!」
ビュッ、と。文一郎が、僕の手で射精する。……どうしよう、凄く感慨深い。
手に付いたザーメンを舐めると、文一郎が凄い目つきで僕を睨んできた。たぶん、羞恥による怒りだろう。分かり易くて、ヤッパリ可愛い。
「こ、の……ドヘンタイ、馬鹿……っ」
「いつもより罵り方のレパートリーが幼いね、文一郎。出しちゃうのが早かったし、もしかして頭が真っ白になるくらい気持ち良かったのかな?」
「蹴り飛ばしたい……ッ!」
「えっ。それは困るなぁ……」
頬にキスをしてから、僕は文一郎の耳元に唇を寄せた。
「蹴られるのは嫌だから、暴れたくなくなるようにしなくちゃね」
ジジッ、と。ズボンのチャックを下げる音が、文一郎の耳にも届いたのだろう。
すぐに文一郎は体を硬直させて、何度も目を瞬かせたのだから。
「あっ、え……っ。……い、れるん、ですか……っ?」
「うん、挿れる。……もしかして、嫌になった?」
「そ、そうじゃ、なくて……っ。……なんで、脱いでくれないんですか?」
「だって、僕が裸になったら文一郎の羞恥心が半減するでしょ? だから、僕は脱がないよっ」
「このドヘンタイ……ッ!」
またしても罵られてしまった。なぜだろう、とてもいい雰囲気なのに……。
文一郎の後孔から指を引き抜き、代わりに僕は僕のペニスを文一郎に押し付ける。
「章二、さん……っ。お願い、やだ……っ。恥ずかしいから、章二さんも脱いでください……っ」
「分かったよ。……後で一緒にお風呂に入ろう、ねっ?」
「そうじゃな──は、ぅ……ん、ッ!」
ぐっと、距離が詰まった。解した文一郎の後孔に僕のペニスを挿入するために。
僕に犯されると気付いた文一郎は、悪態と文句を打ち消す。すぐにその喉からは、甘い嬌声のような声が漏れ出た。
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