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続 3 : 15 *

 すりすりと、指先で後孔を撫でる。  文一郎はぴくぴくと体を跳ねさせながらも、僕を突き飛ばしたりはしなかった。 「指、増やすよ」 「……ッ」 「ふふっ、ありがとう」  懸命に頷く文一郎の耳に、そっとキスを落とす。するとすぐに、ナカに挿れられた僕の指を、文一郎は締め付けた。 「耳、好きなのかな。それとも、キス?」 「黙秘権の行使、です」 「じゃあ、どっちも好きって思おうかな」 「ポジティブなヘンタイって、メチャメチャ手に余るじゃないですか……っ」  二本目の指も、文一郎はなんとか受け止めてくれている。ならばと三本目を挿れると、若干だけれど確実に、文一郎の体が強張った。 「痛い? 指、減らそうか?」 「大丈夫、です。……ちょっと、まだ慣れていないだけなので、緊張しているだけですから……ッ」 「分かった、信じるよ。……嘘、吐かないでね?」 「嘘吐きの先輩に言われるなんて、屈辱的です……っ」  三本の指を、ゆっくりと抜き差しする。その動きに合わせて、文一郎は体を震わせた。 「あ、っ。……ん、ぅ、んっ」  ……痛くは、なさそう。むしろ、気持ち良さそうなくらいだ。  指を抜き差しする動きを、徐々に加速。最初こそ驚いた様子だったものの、すぐに文一郎は指の動きに順応していった。……こういうところも賢いんだもんなぁ、僕の文一郎は。 「きもち、い、っ。先輩、いいです……っ」  我慢しているからか、少しだけ掠れたような声。  文一郎は素直に感じていることを伝えてから、そっと下を向いた。 「立って、いられない、かも……っ」 「あっ、ごめん。……移動、する?」 「そうじゃ、なくて。……誰かが、俺を支えたらいいと、思います……っ」  チラリと、文一郎が僕を振り返る。 「指、抜いて。それから、俺の腰……掴んだら、いいんじゃないですか」  つまり、それは。……【これ以上のお誘い】ってこと、かな? 「うぅっ。……僕、文一郎のそういうところが凄く好き」 「意味、分かんないです」 「そうだね、ごめんね。……ふふふっ、大好きっ」 「だから、意味が……。……まぁ、別にいいですけど」  文一郎は僕を睨んだ後、すぐに視線をそっと伏せた。 「……腰、掴まないんですか」  猛烈に遠回しすぎる、許可。  僕はなんとか音を立てないように唾を飲み込んだ後、文一郎の後孔から指を引き抜いた。 「掴み、ます」 「ん、どうぞ」 「……文一郎のナカに、挿れたい、です」 「っ。……どう、ぞ」  ピクンと、文一郎が震える。ヤッパリ、この行為に文一郎は今も緊張しているのだろう。  それでも拒否しないし、受け入れてくれている。それは僕への優しさなのか、それとも。 「は、っ、あ……ッ。……ん、ぅ、ッ」  徐々に僕のモノを受け入れながら、文一郎はどこか苦しそうな声を漏らす。それでも僕は文一郎の腰を掴み、逃がそうとはしない。掴んだ文一郎の体も、逃げようとはしていなかった。  ……そうしてこの行為を受け入れてくれる理由がもしも、僕と同じ気持ちなのだとしたら。  それが理由で僕を受け入れてくれているのだとしたら、とても嬉しいな。

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