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続 4 : 14 *

 先輩の指が、俺の後孔を弄る。 「んっ、ん……ッ!」 「痛くない? ……ちゃんと、気持ちいい?」 「いたく、ない、です……っ。きも、ち、い……っ。は、ぁ……ッ」  突っ込まれた三本の指が、バラバラに動く。さっきまで自分の指を突っ込むのは怖かったくせに、突っ込まれるのは気持ち良くて堪らないなんて。……ドヘンタイはどっちなのかと、ツッコミを入れたくなる。  だが、きっと俺がそう言えば『エッチなのは悪いこと?』とか。たぶんそういった類のことを、この男は言うのだろう。 「先輩、もう……っ」 「だ~め。もう少し」 「ぅ、あ……ッ」  俺のケツを弄って、何分経っただろう。先輩は指を動かしながら、もう片方の手で俺の頬を撫でた。 「それとも、もう我慢できない? ……僕の、ほしい?」  そう言われると、気の強い俺としては『上等だ、突っ込め!』と言いたいのだが、なんとかその手の返答は抑える。そんな余裕がないからだ。  ……代わりに。 「──俺が、自分で挿れちゃ、駄目ですか……っ?」  さっきできなかったことを、今度こそ。俺は先輩の手に頬を擦り寄せながら、そう訊ねた。  先輩の動揺が、すぐに伝わる。突っ込まれた指が、小さく跳ねたからだ。 「……無理、してない?」 「不思議と」 「怖くないの?」 「なんで、でしょうね。……俺も、先輩なら平気みたいです」  頬を撫でる先輩の手をそっと掴み、そのままキスをする。 「先輩のを挿れるのは、怖くない、です」  ずるっ、と。先輩の指が、引き抜かれる。 「なに、それ。凄くゾクゾクする」 「お気に召していただけたようで、なによりです」 「うん。凄く気に入っちゃった」  俺は体を動かし、先輩の逸物を自分の体に擦りつけた。 「ははっ、笑える。男のケツに指を突っ込むだけで勃起するとか、章二さんってホント……ヘンタイですね」 「今の君に言われると、なんだか複雑な気持ちになっちゃうよ」 「そうですね。……俺も、大概だ」  先輩の逸物に触れて、なんとか挿入し易いようにと支える。 「今日だけですよ、今日だけ。俺がこんなに、イカレているのは……今日だけ、です」 「『イカしている』じゃなくて?」 「ヤッパリ、章二さんの方がヘンタイです」  すり、と。先輩の逸物を、自分のケツに擦りつける。そうすると腹の奥が妙に落ち着かないのだから、ヤッパリ俺は大概イカレているのだろう。 「章二さん。……挿れ、ます」 「無理はしないでね」 「はい」  先端が、窄まりを押しのけていくような感覚。  俺は今、先輩に犯されている、と。そう思うと、なぜだろう。 「ん、っ。……章二、さん……っ」  今度は胸の奥が、妙に落ち着かない。  徐々に先輩のモノを受け入れていくだけで、不思議と涙が出そうになるのだから……今日の俺は、なにかが違うのかもしれないな、なんて。 「凄いなぁ。絶景だよ、文一郎」 「うる、さい……っ。そういうことを、言われると……落ち着かないんですってば……ッ」  熱に浮かされ始めた頭では、現状を言葉で上手にまとめられなかった。  

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