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続 5 : 5 *
子日君の指が、僕が着ているシャツに添えられる。
「ただの仕返しですよ。……不覚にも、胸がザワッとしたので」
「嫌だったってこと?」
「……逆ですよ、馬鹿」
指先はシャツをなぞって、そのまま下降していって……。
「少し、俺に翻弄されてください」
動く子日君の指は、僕が穿いているスラックスのチャックを下げて、ベルトも外していく。
……えっ? あっ、えっ、こ、これって……っ?
「いつも余裕な先輩の態度は、前から気に入っていなかったんです。たまには俺を優位にしてください」
子日君が、あの子日君が……っ!
「でも、こういう行為はした経験がないので。……あまり、うまくはないかもしれませんが」
僕の股間に顔を寄せて! チャックを下げて開けた隙間から、ぼっ、僕の僕を取り出して、そっ、そのまま……っ!
「靴下の件は、了承します。不快では、ないので」
「あのっ、ねっ、子日君……っ!」
「俺も、先輩に合う靴下を探しますね。だから、先輩にはそれを履いてほしいです」
「それはっ、もっ、勿論……っ!」
「ん、よろしいです」
そのまま僕の僕に指を這わせて……ッ!
「じゃあ、俺に翻弄されてくださいね。……ねっ、章二さん」
「う、わわっ、わわっ!」
「こら、動かないでください。……舐めづらいです」
──子日君が、僕のを舐めてくれているッ! しかもっ、じっ、自主的にっ!
このっ、この光景っ! この光景を、一言で言い表すには……ッ!
「──風光明媚ッ!」
「──ぶっ飛ばしますよ」
あっ、ちょっ、ちょっと! 歯を立てないでよ、怖いよっ!
……えぇっと、状況をまとめると。どうやら子日君のなにかにスイッチが入ったらしく、子日君は僕のを舐めてやろうという気になってくれたらしい。
──えっ? 僕得すぎない、この展開?
「子日君、あのっ。むっ、無理は、しないでねっ?」
「しませんよ。できる範囲で努力します」
「子日君は苦しくても僕のためなら無理をしそう──ん、っ」
ムッと、子日君は眉を寄せる。そのまま子日君は舌を出して、チロチロと控えめな様子で僕のモノの先端を舐め始めてくれた。
「ちょっと、くすぐったいかも」
「嫌ですか?」
「もどかしいけど、嫌ではないよ。この光景、本当に最高だし」
「……ヘンタイ」
舐め始めてくれた子日君も大概だと思うけど。……って言ったら、子日君はフェラをやめちゃうのかな。
「んっ、章二さん……っ」
子日君は舌を使って、根元や先端を舐めてくれた。その光景はヤッパリ最高だし、凄くエッチで素敵だ。
……だけど、うん。ヤッパリちょっと、もどかしいなぁ、なんて。頑張ってくれている子日君を相手に、言いづらいけど。
「勃起してきましたね、章二さん。……これは結構、嬉しいものですね」
「そう? じっくり見られると、さすがに僕は恥ずかしいけど」
「本望です」
子日君は濡れた僕のモノを手で扱きながら、僕を見上げた。
「……物足りないですか?」
「えっ」
「顔に書いてありますし、さっきも言っていたじゃないですか。『もどかしい』って」
「……う、ん。ちょっと、物足りない、かも」
さすが、僕の子日君だ。僕の考えはお見通しらしい。……それとも、僕が分かり易すぎるのかな?
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