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本文~続き~
……やっぱり無理!
僕はくるっと向きを変えて、いつもの道を歩いた。
昼の太陽が熱い。
夏休みに入って一週間。
あの日から、相原さんの家に近づけない。
別に、行く必要なんてないし。だって、彼は迷子にもならないし、本読んで毎日幸せそうにしてるし。
手紙書くの、邪魔されたら嫌だろうし……
会いたい、とは思う。
でも、相原さん……好きって言ってくれる……あんな風に照れて、悩んで手紙を書くような人がいるんだし。
僕なんかが家に行っても困るんじゃないかな。
困るかな? 本当に。
だってあの時、上げてくれたし、サイダーごちそうしてくれて、話もしてくれて、あんな近くまで……
胸に感じるのは、少し前と違うざわざわだ。
相原さんのことばかり考えながらとぼとぼ歩く。気づいたら家の前にいた。
郵便受けを見ると、封筒の端がはみ出てた。
青空と黄色い花の柄。
……え?
封筒を掴む。
宛名は僕だった。
震える手で封を切って、中の便箋を出す。
二つ折りにされたそれを開いて、読む。
始めの数行で、居ても立っても居られなくなった。
混乱した頭で、僕はもと来た方向へ走り出してた。
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