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第2話

「雨?好きだよ?」  そう言いながらシャツを羽織った俊を見ながら、ベッドの上で仰向けになった渉は窓の外を見ていた。  濡れた紫陽花が鮮やかな色で雨を滴らせている。 「変わってる」 「え?そうかなあ」  頭を掻いて、俊は笑った。 「まあ、大体のひとはそう言うけどね」  言われ慣れてるよ。そう続けて、俊は渉の顔を見た。 「どうかした?」  俊の顔が真顔になる。   こんな時、俊が何を考えているのか、分かる。 「俺も、大体のひと?」  渉は笑った。  つもりだった。  「それは、どうかな」  ゆっくりとベッドに腰を下ろして、俊は渉の頬に手を差し出した。  そっと触れる俊の指を間近に見ながら、渉は溜息を吐いた。 「ごめん」 「なんで、渉が謝るの」  困ったように俊は笑う。 「俺、まだガキだ」 「…そうだね」  否定をせずに笑う俊を見て、渉は顔が熱くなった。 「ぜんぜん、成長してない」 「そんなこと無いよ」 「駄目だ、全然駄目」  言いながら、渉は頬が染まっているのを隠そうとシャツを羽織りボタンを締める。  下を向いた渉を、俊は見ている。気配がする。  渉は、耳まで熱くなった。 「そうだ」  何かを思い出したように俊が首を傾げた。 「渉、君は、どうなの。雨は好き?」  渉は俊の顔を見た。胸が、一つ大きく鼓動を打った。 「お…」 「ん?」 「教えない」

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