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第4話

「あ…っ」  漏れてしまった声を塞ごうと、渉は指を噛んだ。  雷光が瞬き、渉は閉じた瞼の裏で眩しい、と思った。 「渉…大丈夫だよ」  耳元で、俊の声が響いた。  雨音のせいでどこか遠くにいるような錯覚を覚える。  目を開けば、目の前に俊が微笑んでいた。 「少しくらい声を出しても、聞こえないから」  そう言って、渉の口元から指を引き抜いて、俊は代わりに口付けた。 「噛むなら、僕の指を噛めばいい」 「そんなの…、…ぁ、ん…っ」  できるはずがない、と答えようとして渉は喘いだ。  唇が震え、声にならない。 「…可愛いよ」  俊は腰を渉に打ち付けながら、渉自身をそっと握った。 「ひ…ゃ…っ」  驚いた渉が声を上げると、再び雷光が辺りを白く照らした。 「……っ、ぁ…!」  雷鳴が、渉の上げた甘い声をかき消す。 「で、でも…っ」  戸惑う渉の耳元に、俊は唇を寄せた。  「僕にしか、聞こえないよ」  白く浮かび上がる俊が、手の中の渉を素早く擦り上げる。  同時に、その腰が何度も渉を突き上げた。  「……っ…!……ぁ!」  胎内に熱いものが奔る。同時に、渉は俊の手の中に全てを吐き出していた。

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