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第2話

工藤忍(くどう しのぶ)は久しぶりに幼馴染みの神崎彗と登校する。 外は寒くて吐く息は白い。 久々の外出に心が躍り、誰もが外へ出るのを嫌がる程の寒さにも忍は嬉しくて仕方なかった。 「さむー。ねぇ、忍。やっぱり車で行こう?」 自分の後ろを歩くのは幼馴染みの神崎彗。 眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群。財閥の超お金持ち。 恐らく世界的金持ちの仲間入り。 彗自身、会社も運営していて総資産が半端ない。 忍の家もそこそこ上流階級だがもう桁が違い過ぎてただの一般市民と同じようなものだった。 「……歩きたい」 彗のボヤく言葉に忍は遠慮がちに呟いた。 「忍って歩くの好きだよね」 ふふっと上機嫌に笑う彗に忍は嫌そうに目を反らした。 別に歩くのが好きだったわけじゃない。 どちらかといえば自分も楽をしたくて車移動を好んでた。 この、監禁生活になるまでは………

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