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第9話

二人は幼稚園年長から中学3年、卒業まで同じ学校の同じクラスだった。 勿論、神崎家の力でだ。 幼い頃、父と一緒に神崎家に行ったのが始まりだった。 父とは違うオモチャが沢山ある部屋に通された忍は一人楽しく遊んでいた。 暫くしてメイド服を着た女が息を呑むほどの綺麗な男の子を連れてきた。 それが彗だ……。 彗は女の子のように、可愛く、天使のような笑顔で挨拶してきた。 「こんにちは。神崎彗です」 「こ、こんにちは!工藤忍です。お邪魔してます!」 赤い顔でペコッと頭を下げ、挨拶を返す忍に彗は嬉しそうに笑った。 「今度のペットは君?宜しくね」 「……え?」 聞き間違いなのか、何かよく分からず、素っ頓狂な声を出すと彗がケラケラ笑った。 「忍って、凄く可愛いね。顔も声も。……性格はどうかな?俺好みかなぁ〜?」 「………」 可愛い顔と発する言葉の内容が噛み合わず、忍は混乱で固まった。 「俺の事は彗様って呼んでね」 「……同い年だよね?」 不躾にも指をさして聞いてくる忍に彗は笑顔で頷いた。 「なんで同い年の友達に様とか付けなきゃ駄目なの?俺、そんな友達ならいらない」 眉間に皺を寄せ、そう言い切った忍に彗は目を見開いて、開いた口が塞がらない状況になった。 「人の事、ペットとかあんまり言わない方がいいよ。オモチャ、触らせてくれてありがとう。バイバイ」 忍が不愉快だと、その場を離れようとしたとき……… 「待って!!!」 忍は強い力で手をひいて、引き止められた。振り返ると、そこには目をキラキラさせた彗がいて、満面の笑顔で聞いてくる。 「お友達になってくれる?」

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