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第14話
「ご、めんなさ……、っア、アッあぁぁぁぁー……」
あの後、青い顔で固まる俺を彗は腕を引っ張って迎えの車に放り込んだ。
自身も車に乗り込むと、運転手に家へと短く伝え、忍はいつもの牢と言う名の豪華な部屋へ戻された。
恐怖に身体を固くさせ、隅の方へ逃げる忍に彗は冷たい笑みを浮かべて手招きする。
「忍は俺のものでしょ?」
早く来いと言わんばかりの男に忍は震える足で近付くと、ネクタイを掴まれて引き寄せられる。
「ひっ!」
小さな悲鳴を漏らす忍に彗は鋭利な視線を向けた。
「忍は何で俺を苦しめるの?俺のこと、そんなに嫌い?」
ふるふると首を横へ振るが、彗の責めるような言葉が続く。
「俺以外と口をきくな。俺以外を見るな。俺以外の事考えるな」
そんな事、 出来ないと言いたかったが言えなくて、忍はキュっと唇を噛んだ。
「忍が望めばできるよ?俺がさせてやる」
楽しそうに笑う瞳は本当にそんな事を現実にしてしまいそうで、忍は涙を浮かべた。
「ゆる……して…、彗ごめん……」
震える声で許しを請うように何度目かの謝罪を口にしたら、彗は忍の腕を引っ張って、ベッドへと突き飛ばした。
「とりあえず、3日はお仕置き」
目の前が暗くなる宣告に忍は涙を流した。
「あぅ……はっ…、アッ……ああぁぁぁーーーッ…」
繋がれた両手足の鎖をガシャガシャ揺らしながら忍は自分の後ろの蕾に入れられたオモチャの振動に喘ぎ苦しめられていた。
「後、これ三時間ね」
優雅に紅茶をソファーで飲みながら乱れ狂う忍をうっとり見つめて彗が告げる。
「も、もう……助けてぇっ…、すいぃ〜……」
涎を垂らして男を見ると、彗はテーブルの上のリモコンに手を伸ばした。
「もうちょい振動上げようか?」
空調の温度を上げようか?と言うような口ぶりで彗はバイブの振動をMAXに切り替えた。
「ィヤあぁぁぁぁぁーーー!!」
悲鳴と一緒に達してしまい忍は身体を揺らす。
達したにも関わらず与え続けられる強い振動の快感に忍は気が狂いそうだった。
「ひぃ……んん…、アァ……だめ、だめぇ!変になるぅ……」
頭をベッドに擦り付け、ガクガク身体を痙攣させる忍を見て彗は楽しそうに笑った。
「あははは。忍、ずっと垂れ流してる。そんなに気持ちいいの?」
「あぅ……、ふっ…彗っ……、すぃぃぃ………、やめてぇ、死んじゃぅ……、アァァんっ………おれ、死んじゃうぅ……」
半狂乱に首を振り、助けを請う忍に彗は小さく溜息を吐く。
「もうギブアップ?まだ半日はお仕置き残ってるけど?」
リモコンで強弱をグイグイ繰り返し切り替える彗に忍はビクン、ビクンと身体を大きく跳ねさせた。
「そういえば、あの連絡先の奴と忍は遊びに行くの?」
オモチャのリモコンを結局、最強にして彗はポイっとゴミ箱に投げ捨てた。
「ァアーー、んん……ァァく…、また、でる、でるぅぅぅ……、ひ、ひぃヤァァァーーー」
彗の質問に答える余裕などなくて、忍はまた精を放つ。
「止めてぇ、止めてぇぇぇぇ……」
がしゃんっと、腕の鎖を力をいっぱい揺さぶり、忍が暴れると彗はソファーから立ち上がり、ベッドまで近付いた。
「生意気。止めて下さい………、だろ?」
グイッと顎を掴まれ、目と目を合わせてただされ、忍は縋るように頼んだ。
「と、止めてぇ……くら、さいぃ…」
「可愛いからいいよ」
にっこり笑うと、彗は忍の後ろの蕾に入っているオモチャを乱暴に抜き取った。
「ァアンん……、ぁ………」
自分を苦しめていたオモチャを目の前に捨てられて、忍はまだ音を鳴らして動くそれを整わない呼吸の中、呆然と見つめた。
「忍は本当に可愛くて困る。可愛過ぎるから、こんなの貰うんだよ」
手に持っていたメモ用紙を憎そうに見つめて男は吐き捨てた。
「忍はこれどうするの?」
まだ働かない頭で彗の質問に何て答えれば満足するのか必死に考える。
「………捨てる」
「ゴミ箱に?そんなの拾えばまた忍はポケットにしまうんじゃないの?」
「ひ、拾わないっ!」
涙を流して訴えると、彗はどうだかと肩を竦めた。
「どうしたらいい……?」」
自分じゃもう分からなくて、忍が震える声で聞くと、彗はにっこり微笑んだ。
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