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第22話
出た!
出れた!!
俺、脱出できたっ!!!
きっとメイドや執事などにみつかり、屋敷の外へ出ることすら無理だと思っていたが、以外とすんなり外へ出られた事に忍は興奮した。
「やった……、自由だっ!自由だぁ!!!」
拳を強く握り締め、忍は当てもなく屋敷から遠のきたくて、がむしゃらに走った。
結構走ってから何処かの公園に辿り着き、荒い息を整える為に近くのベンチに座る。
こんなに走ったの久しぶりすぎて嬉しい……
ゼイゼイと胸で大きく呼吸を繰り返し、天を仰ぐと青い空が一面に広がっていて、忍は涙を流した。
凄い……
俺、一人で外にいるんだ
俺、彗から逃げれたんだ
はぁーーーっと大きく深呼吸を繰り返し、忍は流れる涙を拭い、少し冷静になった。
公園に備え付けられている時計台を見ると時刻は13時を回ったばかりで、彗が学校から戻ってくるまでに屋敷に戻らなければと考えた。
完全な自由はもう無意識の内に忍は諦めている。
とりあえず、1分でもあの男から解放されたくて、今日この日を無事に迎えようと頭を悩ませた。
置き手紙には実家へどうしても欲しい物があるから取りに帰ると記載しておいた。
公園のベンチで外の空気を満喫し、忍はとりあえず久しぶりの我が家へ足を向けた。
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