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第26話
目を覚ますといつもの豪華な檻に戻ってきていて、忍はベッドの上に寝転がっていた。
起き上がると彗に殴られた腹部に鈍痛が走り、忍は痛みに顔を歪める。
「痛い?」
「っ!!!」
人は居ないと思っていたのに突然声をかけられて、忍は驚きに身を竦めた。
声がした方へ顔を向けると、そこには自分の知る限りこの世で一番綺麗な男がゆったりと微笑んでいた。
「……彗」
ドクドクと心臓が一気に早打ちになり、忍は息苦しさを覚える。
「忍」
「………」
呼ばれて男を見ると、彗はキツイ声で命じてきた。
「返事」
「え……?」
「俺が呼んだら返事をしろ」
いつも使用人へ向けるような声色に忍は恐怖と驚きに身を竦ませた。
「忍」
もう一度名前を呼ばれ、返事をしようと口を開くが恐怖で声がでない。
「はぁぁぁー。忍は本当に俺に逆らうなぁ〜」
参ったな。と言って彗は立ち上がると、綺麗に磨き上げられたコップへ水を注ぎ、そのコップを持って忍の前へ差し出した。
「飲んで」
手渡されたコップを受け取り、忍は喉も渇いていた事もあって、一口水を飲む。
「うっ……、何コレ!?」
その液体は水ではなかったらしく、とても苦くて不味くて忍は顔を背けると彗の冷たく厳しい声が降ってきた。
「全部飲んで」
圧倒される迫力に忍は負け、命令されるまま苦い液体を飲み干した。
口のなかが苦くて、口直しに普通の水でもお茶でもいいから何か欲しいと、彗を見あげるが、男はにっこり微笑むだけだった。
「飲み物はこれしかないよ。後でもう一度飲んでね」
もう一度あの不味くて苦い液体を飲まされるのかと思うと忍は嫌で顔を俯かせた。
が、その時ドクンっと心臓が大きく波打ち、忍はブワッと身体中から汗を噴き出す。
「えっ……らぁう………、なに……!?」
何が起こっているのか分からず、忍は自分の体を自分で抱き締めるように身を小さくさせた。
「ひっ、……ぁあ………なに、これなに……!!!」
衣服が体に擦れた時、身体中に電気が走る様な感覚に襲われ、気が付けば下半身が濡れていた。
身を丸める忍の背中をツーっと彗の指が這うと、忍は絶叫と共に身体を痙攣させて達する。
「ひっ、ィヤアァァァァァーーーーッ」
ククッと喉の奥で笑う彗は楽しそうに忍に触れてくる。
その度に体に電流が駆け巡り、下半身のものがぼたぼたと止めどなく性液を漏らした。
「あぅ……、や、やめっ、彗……、さわんないでぇぇぇぇアァァァっーーー」
ガクガク震えて彗から逃れようと、ベッドの端へ転がる忍に彗は声をあげて笑った。
「アハハハハハハ!!!忍、可愛いーーー」
子供がオモチャで遊んでいる時のように男は楽しそうに笑った。
「ほら、忍こっちにおいで」
忍の放った性液の上へ汚れる事など気にもせず、彗は腰掛けて忍を呼んだ。
「やっ、やっ、やだっ!」
怖くて……、ただただ怖くて、忍は首を横へ振ると男の笑顔が消える。
「忍。これ以上俺を怒らせるなよ」
冷たく厳しい瞳と声に忍は絶句する。
「俺が呼べば返事をして直ぐに来い。俺が命じればその通りにしろ。分かったな?」
抑揚のない声に言われて忍の頭は始終混乱した。
「返事!」
「はいぃっ!」
返事を返さなかった事に彗は声を荒げられ、忍は急いで返事をする。
「こっちにきて、足を開いて」
忍の返事に気を良くしたのか、彗はまたにっこり笑って手招きをしてきた。
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