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第30話
友達になると頷いてくれてから俺はずっと忍と過ごした。
別々の幼稚園だった忍を自分の幼稚園へ編入までさせた。
他の子と遊んでいる姿を見るとムカムカして、忍を殴ったら忍に大泣きされて悲しくなった。
翌日、忍が目も合わせてくれなくて父親にその事を言うと、次の日には忍は俺の隣へ来てくれた。
でも、いつも俯いて泣きそうな顔でいるから渋々謝ると、何も悪くない忍が泣きながら謝り返してきて、俺はもう二度と忍を殴らないと心に誓った。
幼稚園を卒園して小学校へ二人は入学する。
その時には俺の独占欲は更に増していて、学校を買収して忍と同じクラスに6年間してもらった。
毎日、毎日、登下校を、共にした。
給食も2人だけで食べた。
土日は忍は俺の家へ泊まりに来るのが義務付けられるようになった。
ホームシックで泣く忍を俺は抱き締めて、一緒のベッドで眠っていた。
小学校を卒業し、2人は付属の中学校へ上がる。
もちろん、学校を買収して小学校の時のように色々と俺は根回しさせた。
なので、小学校の時と対して2人の関係は変わらなかった。
毎日、登下校を共にし、昼食も2人でして、外部の人間を俺は近づけなかった。
忍が自分以外の他の子と話をしたら、忍ではなく相手の奴をボコボコに殴りつけていた。
そうしている内に忍へ近寄る者は必然といなくなり、忍は俺がいなければ常に一人ぼっちだった。
その状態が余程辛かったのか、忍は隠れて泣いている時期があった。
心が痛んだが、どうしても忍が自分以外の人間に笑いかけるのが、許せなくて見て見ぬふりをしていた。
土日も忍は家へ泊まりに来るのが当たり前になっていき、友達と言うより兄弟のような感じになっていった。
劇的に変わり始めたのは中学に上がって2年目の夏。
俺は一人の女に呼び出された。
これをキッカケに忍への気持ちが恋心だと気がつく事になった………
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