20 / 24
召し上がれ 4
彼の精を中に受け、自分も腹へとぶちまける。
既に何度か目の行為の後ゆえに、汗と欲で身体はベトベトだ。
「お腹すいたでしょう? ご飯用意するよ」
怠い身体を起こし、一先ずシャワーを浴びに行こうとするが、
「まって。飯は朝で良いです」
もう少し甘えさせてくださいと、背後から抱きしめられた。
「んっ、わかった」
手が怪しい動きをはじめ、それは流石に掴んで止める。もう体力は限界だ。
「こら、もう駄目」
顔を振り向かせて郷田の髪を撫でると、実に残念そうな顔で見つめられた。
「なら、抱きしめたまま寝てもいいですか?」
「それくらいなら。郷田君の腕の中、温かいし」
と横になり向い合せとなり、胸に頬を摺り寄せば、髪を撫でられてそれが気持ち良くて、沖は眠りの中へと落ちた。
夕食に出そうと思っていたきんぴらごぼうと、昨日店で出した大きめな角煮を一つ。そして魚の味噌漬けと浅漬け。
旬の青物で作った白和え、そして大盛りご飯とお味噌汁を目の前に置く。
「召し上がれ」
「頂きます」
自分も一緒に食事をしはじめる。
思えば郷田と一緒に食べるのは初めてかもしれない。
「一緒に食うのも良いですね」
と少し微笑みながら言われ、朝からときめかされた。
「なら、引っ越ししてくる?」
「……良いんですか?」
「うん。俺の作ったご飯、食べて欲しいし」
「はい」
全ての皿の上の物がきれいになくなり、郷田が手を合わせる。
「ごちそうさまでした」
満足そうなその表情に、微笑みながらお粗末様と口にした。
<小さな食堂・了>
ともだちにシェアしよう!