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召し上がれ 2
※※※
最後の客が帰り、店を片付けて家へと戻る。
郷田の為に食事の準備をしている所に、家のチャイムがなり玄関へと向かう。
「いらっしゃい」
「すみません、お疲れの所をお邪魔してしまいまして」
「気にしないで。ご飯食べるでしょ? 用意するから」
そのまま台所へと向かおうとしたが、郷田に腕を掴まれる。
「話を先にしても?」
ぎくりと身体を強張らせる。
「……いいよ」
郷田は自分い話をしに来たのだ。どんな内容だとしても聞かなくてはいけない。
そのまま向い合せに腰を下ろす。
「話って?」
真っ直ぐと彼を見れば、向こうも自分を見つめており、緊張で胸がどきどきと落ち着かない。
「飯も食いたいですが、まずは沖さんを食いたいです」
「え!?」
聞き間違いかと思いきや、
「沖さんとセッ……」
「待って!!」
今度は直接的に自分を求めるようなことを言いかけた所で、沖は身を乗り出して郷田の口を両手でふさいだ。
「言いたいことは分かったから。理由を聞かせて貰ってもいい?」
手を離せばすぐにその手を掴まれてしまう。
「そういう意味で沖さんが好きだからです」
と、指先に口づけた。
「ひゃぁっ、郷田君」
「駄目、ですか?」
展開がいきなりすぎて驚いている。
しかも郷田が自分と同じ気持ちだなんて思わなかったから。
「駄目じゃない。俺だって君のことが好きだから」
沖の傍に移動した郷田に抱きしめられて唇を重ねる。
「ふぁ」
そのまま押し倒されて、シャツの下から手を差し入れて肌を撫ではじめる。
「ん、沖さん、おきさん……」
このまま食わん勢いの郷田に、胸をやんわりと押して口づけを止める。
「なんで」
「布団敷くから。そこで、ちゃんと食べさせてあげる」
頬を撫でて軽く口づければ、身を起こしてシャツの下から手を抜いた。
「すみません。余裕がなくて」
「うんん。求めて貰えて嬉しいから。俺ね、郷田君が俺と同じ気持ちでいてくれたことが嬉しくて」
「実は他の人に言われて沖さんへ対する想いに気が付きました」
「そうなんだ。じゃぁ、俺はその人に感謝しなくちゃね」
押入れから布団を取り出して敷き、服を脱ぎ捨てる。露わになっていく肌を郷田がじっと見つめていた。
「幻滅したでしょう?」
女のような柔らかい身体をしているわけでもないし、綺麗な肌をしている訳でもない。胸だって平らだし、下には郷田と同じものがついている。しかも先ほどの口付で半たちしていた。
「いえ。今から貴方のことを食べられると思ったら嬉しくて」
「郷田君も俺に全部見せて?」
「はい」
服を脱ぎ、その逞しい身体を曝け出す。
それだけで興奮してゾクゾクする身体を郷田の腕が抱きしめる。
「郷田君って、良い身体しているね」
互いの素肌がふれあい、胸がどくっと高鳴る。
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