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第7話
「世界は変わる。大きく変わる。全ては大きく変わるのだ。悔い改め、待つがいい。その方が現れて全ての罪人を救うだろう・・・」
闇から響くのは美しい声だった。
兵士が照らすランプしか明かりはない。
通路、というよりは坑道のような道を進む。
闇に光のように声がただようのをサロメは感じた。
流れ流れる水のように。
声に浸る。
恍惚と。
服を脱ぎ去りたい。
その声に全てを浸したい。
サロメは勃起していた。
そして、数日前兵士に何度も抉られた腹の奥が熱くて熱くてたまらない。
手を取る兵士に思わず寄り添ったのは、欲しくて欲しくてたまらないからだったが、欲しいのはこの男ではないことはわかっていた。
欲しい人はこの闇の奥にいる。
兵士はサロメの熱い肌と匂い立つ欲情の匂いに呻いた。
横のサロメを見つめ唾を飲み、飢えたように見つめたが、耐えた。
会わせると約束したから。
それがサロメが高貴な身を与えてまで望んだことだから。
それに。
兵士は確信していた。
どんなにサロメがこがれようと、相手は聖者だ。
サロメの恋はかなわない。
兵士はまず聖者に会ったのだ、サロメに合わせるより先に。
狂人だが、だが確かにあの男は。
聖者だ。
そして、閉じ込められた囚人。
「許されるのだ。世界は変わる。救われることが可能になる。だからこそ、悔い改めよ、兄殺しの王よ、夫を殺した男と寝る后よ、彼が来る前に悔い改めるのだ」
その声は闇に光り、サロメの中を犯した。
声に中を擦られて、サロメはおもわず喘いだ。
「あの男に会わせたなら・・・」
兵士が飢えた目で低く耳に囁く。
その声が耳に熱い。
それにも感じた。
小さな白い耳を噛まれた。
サロメはおもわず叫び、カクンと震えた。
射精はしなかったがイッたのだとわかってた。
「あの人に会えたなら・・・お前と今夜も・・・」
サロメは何度も頷いた。
抱かられた翌日、兵士に洗われ清められ、ベッドに横たえられた身体は痛み、きしんだ。
全身に汚されたあとがあり、腹の中までその質量の感覚がのこっていた。
快楽の名残りもあったけれど、それも、汚された証拠でしかかった。
サロメは自分を抱きしめて泣いたのだ。
後悔はしてない。
他に方法がないから。
でも。
汚された。
それは苦しかった。
だが、またこの身を何度でも汚すだろう。
会わしてもらうためなら。
「抱きますよ。腹の奥まで王子様」
その声にもイッた。
優しく耳を噛まれながら。
「穴がなかなか閉じなくて、オレのを垂れ流すまで」
この前そうなった時のことを思い出して、また中が熱くなる。
でも。
サロメは身体の熱さや快楽よりも、その人に会いたい。
繋がったままの兵士の手を引いて、闇の奥までへと歩きだす。
兵士はため息をついたのだった
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