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第10話

無理やり突き入れられて、サロメは叫んだ。 嫌だ、と身体をよじりつきはなそうとした。 死んだように横たわる格子の向こうの聖者へ手を伸ばす。 愛しい人はそこにいる。 欲しい身体はそこにあるのに。 でも兵士はサロメの細い腰を掴んで突き上げた。 サロメは悲鳴をあげたが、愛しい人を目の前にして、すっかり発情した身体はよろこんだ。 安らかに、何も聞こえないかのように聖者は眠る。 鉄格子さえなければ、数秒もかからないすぐ近くに。 むき出しのその上半身に、その乳首にサロメはキスをしてしゃぶりつきたかった。 なんて清らかな人、汚したい。 この身と同じくらい。 「こんなにオレのに喜んでるくせに!!」 兵士が唸る。 サロメの中が熱く絡みつくから。 覚えが良く、もう兵士のソレのかたちを覚えているその中が愛しくて憎い。 激しく突き上げていく。 憎くて愛しい。 サロメは聖者をみながらその突き上げに合わせて鳴きはじめる。 鉄格子を掴み、背後から激しくつきあげられ身体を波打たせる。 崩れ落ちそうになるのを許されず、上半身を立たされ、突き当たりを執拗に突かれ、サロメは腹筋を痙攣させた。 絡まりあってとろけて行く。 熱いとけた鉄が腹をドロドロに溶かしてる。 カクンカクンと腰が揺れる。 その目の先に聖者がねむる。 サロメがこんなに淫らでいやらしいのに、聖者はそれを切り離したようにキレイで。 眠り続けている。 それにサロメは夢中になった。 ああ、あの身体のすべてにキスがしたい。 「 !!! !!!!」 聖者の名前をよびながら、聖なる名前を叫びながら、汚され、絶頂にサロメは達した。 聖者の名前をサロメが叫ぶ度、兵士は怒りサロメの髪を掴んで、深く強く貫いた。 サロメはそれを喜んだ。 鉄格子の向こうにある身体じゃないなら何でもよかった。 「欲しい!!」 サロメは泣き喚いた。 「オレのだ!!」 兵士も叫ぶ。 欲しいのが自分ではないとわかっていたからだ。 首に歯をめりこませ、サロメをよごすためにその中にはなつ。 サロメはそれを喜んだ。 兵士は崩れ落ちたサロメをそれでも犯すことを止めない。 サロメは冷たい土の上から、牢の中へ手を伸ばす。 中の人がその手をとってくれることなどないとわかっているのに。 「オレのだ」 兵士が無理やり後ろに向かせてキスしてくる。 うばうようなキス。 サロメはそれに応えることを覚えていた。 自分からも舌を絡めるともっといい。 兵士の舌は気持ちいい でも、ほしいのはこれじゃない。 唇が離れたなら。また愛しい人を見ようとした。 でも兵士は許さない。 向かいあうように体位をかえられて、自分しか見せないように腕と胸の中にサロメを閉じ込める。 サロメは嫌がった。 あの人が見たい。 見たいのに。 泣いても腕の中に閉じ込められて、すぐそこにいるその人を見ることを兵士は許さない。 でも、兵士のそれが奥をぶち破るのをサロメは喜んだ。 もうここを虐められることが大好きだった。 「先に吸い付いてきて・・・こんなにオレのを好きなくせに」 兵士は怒鳴る。 サロメは小刻みな声しかあげれない。 感じていることは喜んでいる中がおしえてくれる。 でもサロメの腕は鉄格子の向こうにいるその人を求めて伸ばされる。 でもその手に掴めるものはない。 サロメは泣いた。 聖者は。 聖者は。 全くサロメに関心が無いのだ。 それがゆるせない。 こんなになって、こんな淫らになってまで、聖者を求めているのはサロメのせいなのか? 聖者のせいなのに。 でも、良く知りもしない下賎な男のペニスは気持ちよかった。 これはあの人のものじゃないのに。 サロメは痙攣した。 兵士が奥で放ったのが甘すぎて。 「 !!」 聖者の名前を呼んだのに、拒否の言葉も侮蔑の言葉さえ返ってこない。 サロメは泣いた。 深い快楽と同時に虚無のような絶望を感じながら。 分かったのは。 こんないやらしい生き物になってやっとここまでたどり着いたのに。 嫌われるどころか、存在さえ無視されていた。 だから決めた。 「お前を手に入れる!!」 そう叫んだ。 そして目の前にある唇で代わりを満たした。 サロメからキスされ、兵士は震えた。 それでもサロメが本当に欲しいのは何かわかっていた。、 サロメは泣き。 泣きながら欲しいモノの代わりにもならないモノを使った。 小さな舌は舌を欲しがり、兵士の舌の上で淫らにのたうち周り、小さな舌が甘く噛んできた。 慣れない憐れで可愛い王子の代わりに、貪欲な欲望に正直ないやらしい生き物がそこにいて、兵士はそれをもっと愛しいと思った。 ほしい男に会いたくて、身体を汚してまでここに来たのに。 拒否どころか居ないものとして扱われる憐れな王子が愛しい。 キスしながら、ゆっくり身体を入れ替えて、王子を自分の上にした。 兵士に跨るような体勢になった王子から、そっと手を離す。 手を離せば自重で深く入り込みサロメは喉をそらしてたかく鳴く。 そして泣く。 憎くて。 愛してもらえないどこらか、居ないものにされている。 サロメは自分から腰を動かし始めた。 鳴いて泣く もう自分が戻れなくなっているのがわかっていたから。 「王子様・・・可哀想な王子様」 兵士は心から言った。 あまりに哀れだった。 ここまで惨めな存在はいなかった。 恥も外聞もなくもとめたのに、まったく気にも止められなかったのだ。 そして兵士は喘いだ。 サロメは泣きながら、淫らに腰を使っていた。 尻を上げ下げし、揺らし回して、深い奥に自ら誘いこむ。 それが良すぎて。 兵士は女のように喘ぎ、サロメも兵士のペニスを色んな確度で確かめ楽しみ初めていた。 「私を・・・私を見てぇ・・・」 見もしてくれないその人へサロメはさけぶ。 こうやって愛したいのはその人の身体なのに。 見てくれないから、愛させくれないから、そこにある違う男の身体をつかうしかない。 サロメは咥え込んだそれを自ら奥へ奥へと迎える。 クプクプ 兵士の先を使って自分でそこをこじ開けようとする。 「ああ・’’・王子さま・・・」 兵士が喘ぐ。 どんな娼婦やいやらしい娘でも、ここまで淫らではない。 自分でそこをぶち抜こうとするなんて・・・。 怖すぎて自分では抜けないはずのソコをサロメは声を上げて抜いた。 グチュ グチュ 兵士の先端を奥の襞が吸い尽す。 「王子様!!!ああ・・・すごい・・」 兵士はその良さに悶えた。 イカされる女のように。 悶えて動く兵士のペニスで痙攣しながらサロメは深い中でイク。 搾りとる。 兵士はけいれんしながら射精した。 まるで、サロメに犯されているかのように。 サロメは笑った。 狂ったように。 中に出される長い射精をたのしんで。 そして泣いた。 幼い子どものように。 「私を・・・私を・・・何故見ない!!!」 それは悲鳴のような嘆きだった。 返事はない。 声さえ聞くつもりもないのだ。 サロメは泣いて、泣いて。 また動き始める。 もうサロメは自分から男を喰らう何かになり始めていた

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