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第七話「Aggressive Cats」

 「あら、しょうちゃん! しょうちゃんやろ!?」  店に入ってきた二人組の女性客は、将平を見るなり、嬉しそうに駆け寄ってきた。将平が、にこっと爽やかに笑う。 「こんにちは」 「あらぁ、しょうちゃん! おばちゃんたち覚えとる? ほら、古賀光輝のお母さん。……こっちは、優姫ちゃんのお母さん」 「田中よ、田中」 「覚えてますよ、もちろん」  あの顔は、覚えていないな。裕二はそう思った。将平の猫かぶりにも、随分慣れてきた。 「しょうちゃん大きゅうなったねぇ、うちのより大きかっちゃない?」 「お母さんは? 東京?」 「はい、母は実家で暮らしています」 「あら、じゃあ一人? しょうちゃん家事とかできる? お部屋散らかしとるやろ」 「あはは、いいえ。裕二さんのところでお世話になってるので、大丈夫なんです」 「あら、そいけんここにおるとねぇ」  二人はしばらく喋って満足したのか、今度は裕二の方を向いた。 「裕二さん、いつものりんごのケーキあるね?」 「ああ、うん、あるばってん……」  呼びかけられた裕二の返事は、彼にしては珍しく、変に曖昧だった。 「大丈夫? 体調の悪かと?」 「あぁ、いや……」  裕二はしどろもどろになって答える。少し頬を赤らめていて、目線がそろそろと泳いでいる。将平が、立ち上がって裕二の横までやってくると、心配そうに言った。 「裕二さん、少し奥で休んでたら? 俺が代わりに店番するよ」  それから、将平は裕二に、小声で耳打ちした。 「……裕二さんがいいって言ったんでしょ」  将平はくすくす笑った。  裕二の腹には、今、アナルパールが入っている。裕二にとっては慣れたサイズのものだが、なにぶん違和感は大きい。  何故こんなことをさせられているのか。それはもう、将平が休みだった、の一言で理由になるだろう。 「……よか、将平、大丈夫。ごめんね、田中さん、りんごのケーキやったね」 「そうよぉ」  裕二はケーキを詰めながら、ぎこちなく笑った。  二人の女性客が帰ってしまうと、裕二は棚に身体を預けて、短く息を吐いた。 「…………将平」 「……うん? なに?」 「……こい、気持ち悪か……」  裕二は頬を赤く染めて、足をすり合わせる。それを見て、将平は楽しそうに裕二の側に寄ってきた。嫌な予感がする。  すり寄ってきた将平は、ズボンの上からアナルパールの先を少し押し込んだ。 「んッ……ぅ」 「ねぇ、裕二さん。コレ気持ち悪い? ホントに?」 「将平……、動かさんで……っ」 「……ふ、気持ち悪いなら抜いてあげようか?」  将平は、ズボンの布ごとアナルパールの金具を引っ張った。アナルパールの先が、前立腺を掠め、ゾッと腹が痺れた。 「ばっ……」  将平はガツンと頭を殴られる。  その時、店の扉が開いて、40代くらいの女性客が入ってきた。 「あら、しょうちゃん!」 「どうも。いてて……」 「どやんしたと?」 「……いや、ネコに叩かれて……」 「猫にや?」  まあ、裕二は真面目な人だ。仕事中に少し遊ばせてもらえているだけでもありがたいわけだし、文句を言うのは、あまりにもわがままか。将平はへらへら愛想笑いを浮かべながらそう思った。  女性客が去ると、裕二は頭を掻いてため息をついた。 「……ごめん、痛かったやろ」 「え? ううん。ちょっと意地悪しすぎたね」  将平は裕二と向かい合うと、ほんの少しだけ反省したような顔で微笑んだ。 「……ごめんね」  本当にかわいい顔をする。自分が許されていることが分かっている顔だ。反省などしていないのだろう。裕二はただ、ため息をつく他なかった。  五時になり、店を閉める時間になった。裕二は店のドアに鍵をかけると、シャッターを閉めた。店内の片付けを終えて二階の家に帰ろうとしたとき、将平が、後ろから裕二をがっちりと捕まえた。裕二は顔だけ振り返り、ため息をついた。 「……胸ば触るなさ」 「裕二さんって甘い匂いがする」 「やめろて」  裕二が声をかけても、やめる気配はない。裕二は時々、将平は自分を本当に猫だと思っているんじゃないだろうかと思うときがある。何をしても猫だから許されるでしょ、と思っている気がしてくるのだ。  どう文句を言ってやろうかと考えていたら、突然将平に乳首を摘まれた。 「……っ、ふ……」 「裕二さん?」 「やめろて言いよろ、ぞわぞわす……っ」  その言葉と反応に、将平が少し欲をちらつかせた目で裕二を見た。 「……乳首開発……」 「……っ、絶対せん!」 「痛い痛い、叩かないで……」  将平はじっと裕二の胸を見つめた。 「…………でも、裕二さんおっぱい大きいし、乳首開発したらきっとかわいくなるよ?」 「おっぱいとか言わん。胸筋やし。……はぁ、もう何ば言いよるかいっちょんわからん……」 「ねぇ、乳首開発させて」 「ちゃんと聞けさ話ば……」  自分の身体をなぞる将平の手つきは、まるで最中のそれで、裕二は身体がじくじく焦れ始めた。そのまま、将平の手がするするとズボンの下に入り込む。裕二は慌てて身を引こうともがいた。 「裕二さん、すごい濡れてるね。人目があるのとか好きだったりする?」 「好かん……! ……やめろさ、将平……っ、ここ、まだ店……」 「閉めてるから誰も来ないよ」 「嫌だ、ここは、いかん……っ」  裕二は、将平の熱を帯びたヘーゼルの瞳をまっすぐ見つめた。 「…………ここじゃなかったら、もうどこでもいいけん」 「……ホントに?」  将平は、嬉々として裕二を解放した。  「ぁ……っ、ぅん……ッ! ぅ……、ん、んん……ッ」 「裕二さん、いつもより静かだね」 「だって、声ひびく……やん……っ」  裕二は、風呂場の床に座らされていた。  将平は本当に変態だ。その人生のどこで彼が捻くれたのか知りたいくらいだ。 「いいじゃん、裕二さんのかわいい声、裕二さんにもきこえるし」 「……っ、聞きとうなか! ンッ、ん、ン……ぅ……、ん、ぁ……、ぁ……ッ」  裕二が、手で口を押さえてしまう。将平は少し残念に思った。  せっかく艶っぽくて良い声が出ているのに。誰にも聞かせるわけにはいかないけれど、誰かに聞いてほしいくらいなのに。将平はその手のひらにキスを落とした。 「……ねぇ、裕二さん、前におしっこ漏らしたとき、気持ちよかった?」  裕二がびくっと跳ねた。 「ば、か……ッ、そんなわけ……っ」 「違うの? 気持ちよすぎて失禁しちゃったんでしょ?」 「せからしか……っ!」  将平は天邪鬼な性格だ。せからしいなどと言われてしまえば、いじめたくなってくる。将平はアナルパールに手をかけて、ゆっくりと引いた。 「あ゙ッ、ぁ……ッ! やめ、そい、抜くな……っ」 「ふふ、じゃあ挿れなおしてあげる」 「だめ……ッ、挿れん……あ゙ッ、あ゙ぁ……!」  前立腺を強く押される。完全に快感を感じるようになってしまった自分の身体が恨めしい。  反響して返ってくる自分の声が甘ったるいのに頭がクラクラした。 「俺、裕二さんがおもらしするとこ見たかったな」 「……変、態……ッ!」  思わず手が出る。将平がそれをやすやす受け流して、ケラケラ笑った。 「どっちが」 「……っ、いいかげんに……ッ」  文句を言われるより先に、裕二の胸に、将平が顔を埋めた。次の瞬間、さり、と柔らかく温かいものが乳首に触れた。 「……っ、舐め……ッ!?」 「乳首開発しようって言ったじゃん」 「(おい)は許可しとらんやろ……ッ!」 「乳首イキってすごく気持ちいいらしいからさ。興味あるでしょ?」  乳首を優しく舐められ、裕二は思わず将平の頭をひっつかんだ。 「……ふ……っ、無か………ぁ、興味、なか……っ、ぅ゙、う……」  将平は裕二の性器にすっと手を伸ばした。 「あ゙……ッ!? なんで、触っ……」 「勃ってたから、触ってほしいのかと思って」  将平はクスクスと笑う。裕二が将平の手を掴んで、離そうと引っ張った。その手に、ほとんど力が入っていないのが愛おしい。 「ぁ、だめ、将平が、触ったら、すぐ……っ」 「……ふふ、すぐイッちゃうって? …………裕二さんのえっち。かわいくて大好き」 「だめ、いかんて、しょうへい……ッ」 「だめ? ふふ、大丈夫、すぐイかないようにゆっくりするから」  将平が手を緩め、ゆっくりと性器を刺激する。ゾッとするような鈍い快感が頭を支配する。 「あ゙……、あ゙……、だめ、もっと、強、せろ……ッ、変なイきかたする、やろ……、イくの、変に……」  裕二は将平の乳首に舌を這わせる。さりさりと、舌が生き物のように這う。ゆるい刺激に震えていると、突然、将平が、裕二の乳首を弱く噛んだ。 「……あ゙……ッ!? ……しょうへ……っ、乳首、噛まんで……」 「……は、裕二さんの乳首ピンってなってる。……かわいい」 「あ゙、く、……ッ、イきそ……、将平、イく、もうイぐ……ッ!」  将平は性器からぱっと手を離し、恍惚とした表情で、悶える裕二を見つめた。裕二は、目を潤ませて、ぴくぴくと跳ねている。 「……ッ、ぅ……、は……ぁ、あ……」 「は、かわいい……」  射精寸前で手を止めたり、ぬるい刺激だけを続けられたりといった、我慢させられているときの裕二の顔が、将平はたまらなく好きだった。彼が今自分の手の内にある。そんな感覚は、将平の支配欲を強くくすぐる。つい必要以上に意地悪をしてしまうのは、もう仕方がない。 「っ、将平……ッ」  裕二が将平を睨みつけた。将平はするすると裕二の胸を撫で、指を腹に滑らせた。 「…………は、……ぅ……、ん」  身体がゾクゾクと震える。性器に指がかけられ、そろそろと扱かれる。気持ちがいい。将平の長い指でぐりぐりと先端を扱かれて、ぴくぴくと勝手に身体が跳ねた。指に集中していたら、突然、生暖かいものに性器を包まれた。 「ゔ……!? お前、なん、ば……しよっ、か!」 「フェラ」  将平はべ、と舌を出した。そのまま、彼は先走りでぐちゃぐちゃの性器を口に含んだ。 「ぁ、汚か……やろ……っ、将平……っ!」  裕二の制止を無視して、将平は構わず口淫を続けた。柔らかい舌がうねり、裕二はびくびくと背をそらせる。 「……あ゙……っ、あ゙……、っ、将平、将平……ッ」  手と口では、与えられる快感の種類が全く違う。なにより、裕二は、今まで性器を口に入れてもらったことがなかった。歴代の彼女に、裕二のグロテスクな性器を口に含む女などいなかったからだ。 「……あ゙、ぅ、ゔぅ……」 「……ふ、……ン、ぐ……」 「将平、それ、せんでよか……っ、よか、て……っ」  いくら将平が男で、女性より口内が少しばかり広いとはいえ、この状況はディープスロートにあたる。呼吸もできないくらいの圧迫感があるはずだ。将平の喉の奥がこくりと締まるたびにゾッとするような快感が押し寄せた。 「やめろ、……将平、やめろって……! 怪我す、将平が……っ!」  裕二が何度も懇願するので、さすがに将平は一度口を離すと、苦笑いを浮かべた。 「……俺の心配?」  裕二は肩で息をしながら、将平の目をじっと見て言った。 「……は……、よか。せんで、おねがい……」 「……俺そんなに苦しくないよ?」 「好かん……、おねがい、せんで……」  おねがいと言われれば仕方がない。将平はすっと舌を出して、今度は咥えることなく、性器の根本から先までを舐めあげた。 「ふ、……ッ、ぐ……」 「裕二さん、自分で乳首触れる?」 「ぅ、乳首……?」  裕二はぼんやりとした頭で、自分の乳首を摘んだ。緩い刺激が伝わる。 「……はぁ、あ゙……っ、ゔぁ、あ゙ぁあ……」 「ん、は、かわいい声。気持ちいいね」 「ァ……、あ、あ……っ、舐め、ゔ、ぅ……ッ」  将平は裕二の性器をじっと見つめ、根本を扱きながら先端を舐めだした。腰がビリビリと痺れる。 「あ゙、ぁ……ッ! だめ、イく、イく……、イく……っ」 「イっていいよ」 「あ゙、将平、イく、イくけん、どいて……! やめて、舐めんで、イッちゃう、イッ……く、けんが……!」  将平が、チラリと裕二の顔を見上げて、性器の先を吸った。 「イ゙……ッ!? あ゙ッ、あ゙……ぁ……!」  裕二がビクンと跳ね、性器の先から白濁液が散る。将平の顔にも、精液が飛び散った。  将平が自分で顔を拭うより先に、裕二が、肩で息をしながら将平の顔についた精液を指で拭った。 「……は、顔、ごめん……。将平、大丈夫?」 「大丈夫。……それより、裕二さん、まだ、イけそう?」 「まだ、て……、なんが……?」  将平の指が、裕二の尻を滑る。そして、ゆっくりとアナルパールの取手に、指がかけられた。 「ここ、使ってもいい?」  「じゃあ、抜くからね」 「……ン……っ、ンン……!」  裕二は尻を突き上げた状態になっていた。これが、裕二にとってはアナルパールを引き抜くのに楽な姿勢だったからだ。 「んは、……は、……はぁ……は……っ」 「頑張って。……まだやっぱり挿れるのは無理だよなあ」 「は、何……ば?」  裕二に尋ねられ、将平は一瞬だけ手を止めた。 「……裕二さん、お尻緩めて。できる?」 「わ、わからん……、ンっ」  将平はゆっくりとアナルパールを引き抜いていく。連なった球は、引き抜かれる感覚を何度も何度も連れてくる。 「あ゙っ、……ぅ……」 「抜けた。……うわ、裕二さんのお尻ひくひくしてる」  将平が思わず呟くと、裕二が、かっと顔を赤く染めてこちらを睨んできた。 「ッ、……そやんかことば言わん……っ」 「た、叩かないでよ、ホントのこと……、痛、痛いってば」  裕二に叩かれながら、将平は指にコンドームをつけて、後孔を弄る。思っていたよりはすんなりと指が進むようだ。 「……ふ、っ、ぅ……」 「……ねえ、エネマグラ挿れてもいい?」 「い、嫌だ!」  裕二は思わず大声を上げる。将平が笑った。 「……見たかったのにな」  裕二の後孔に、何やら少し冷たいものがあてがわれた。はっとして裕二が体をひねり、そちらを見ると、将平が手にピンク色の棒を持っていた。  将平は裕二を仰向けに転がすと、ソレをあてがい、ゆっくりと挿入した。 「……っ、あ゙、なん、なんば……!」  将平の腹を、ソレがゆっくりと侵食してくる。エネマグラよりも太く、長さもあるようだ。 「……ん、ぐ…………、は、ンン……ッ!」 「嫌なんでしょ、エネマグラ」  将平は、そのすべてを押し込むと、持ち手のスイッチを入れた。 「あ゙……っ!? ゔ、ぁ、あ……っ、だめ、将平、コレだめ……っ」 「駄目じゃないよ、気持ちいいでしょ?」  将平はゆるゆるとソレを抜き差しする。抜くときはゆっくりと抜くくせに、押し入れるときだけはやたらピンポイントに前立腺を強く押すのが腹立たしい。 「嫌……ッ、抜け……抜いて……っ」 「細いやつだから、大丈夫。まあエネマグラよりは大きいけど。気持ちいいところにしか当たらない形にできてるやつだから、結構いいでしょ?」  振動があるだけで、こんなにも違うとは。はやく引き抜こうと、裕二は手をのばす。その手を、将平が捻り上げ、キスをした。 「抜いちゃだめだよ」 「あ゙、ァ……ッ、将平……っ」  バイブは強く裕二の前立腺を押し、細かく振動する。将平にグリグリとバイブを押し付けられ、裕二は息を切らしながら喘いだ。 「あ゙ぁ、だめ、でる、いく、いぐ、イぐ……ぅう!」 「……かわいいなぁ」  将平が裕二の胸や喉にキスをする。裕二は、涙が勝手にぼろぼろ溢れてくるのを止められなかった 「は、ぅ゙、手、はなして、はなして……ぇ!」 「……離せないなぁ、叩かれちゃいそうだもん」  将平はニヤニヤ笑う。裕二を風呂場の床に押さえつけて、将平は自分の腰を擦り付けた。 「ン゙、は……っ」 「あ゙ぁあ……ッ! せんで、ちんこ擦らんでぇ……!」 「は、気持ちいいでしょ。前も後ろもぐちゃぐちゃで」  将平は性器を擦り付けながらいたずらっぽく笑った。裕二の身体がゾクゾクと反応する。 「嫌だ、しょうへ、いぐ、いぐ、またイく……ッ、もう嫌、出せん、出らん、て……っ」  裕二はべそべそ泣きながら将平に訴えた。将平が手のひらで裕二の手をぎゅっと握り込んで笑う。 「大丈夫、できるから」  暴力的な快楽に、裕二は、将平の手を指で掴みかえした。びりびりと頭が痺れる。 「あ゙ぁ……っ! いく、イく、イくイく! ……あ゙、あ゙ぁあ……ッ!」 「……ッ、痛」  将平が手の甲、小指の付け根の辺りを舐める。さっきまで、裕二の指が掴んでいた場所だ。将平は今度は裕二の手を完全に押さえつけると、再び腰を擦り付けはじめた。 「あ゙……っ!? ……イっ、た、イッだ、イッた! もうやだ、動かんでぇ……っ!!」  将平の目は爛々と輝いている。獣のような目で裕二を見据えて、将平は無言で彼を攻め立てた。 「あ゙、出る、出るっ! またでる、もうイけんとに、だめ、イく、イく……イ、ぅ゙……っ!」 「……お腹ぴくぴくしてる……。……イってるのに、もう精液ちょっとしかでないね」 「あ゙ァ、ぁあ、お腹、お腹ずっと、きゅってして……、だめ、ナカ、ナカ……!」 「ごめんね、もう少し」 「は。は、は……っ、止めて、おなか、とめて……!」  裕二が足をガタガタさせるのを、将平は無理やり押さえつける。その目に、理性など残っていなかった。 「あ゙あ゙、あ゙ぁ、くるしい、しょうちゃん、しょう、ちゃ……っ」  将平は切羽詰まったように笑った。裕二は背がゾクゾクと震えた。裕二の首に、将平が、強く噛み付く。 「あ゙ぁあ……!? イく、イく、イく……ッ!」 「っは、裕二さん……っ」 「イく、いぐ、ぅ……っ、イくいぐ、あ゙……ッ! ア゙、ア……ッ!!」 「……っ、ン…………ッ」 「あ゙、ぁ……っ、あ……っ、ぁ…………」  二人は、しばらく肩で息をしていた。 「……ご、めんね」  少し経ってから、将平はバイブのスイッチを切った。裕二の身体を引き起こすと、シャワーで、腹についた精液を洗い流しはじめる。 「はー、はぁ……、はぁ……」 「…………大丈夫?」 「……お前っ、ホント荒か……っ」 「ごめんね……」  将平ははにかんだ。反省していないのはもう知っている。 「裕二さん、バイブ抜くよ?」 「待……! 今……ッ、待って将平、いかん……!」  将平は彼の制止もきかずにバイブを一気に引き抜いた。 「あ゙……ッ」  勢い良く,温かな液体がペニスからあふれる。裕二が、ぴくぴくと震えている。 「……っ、おしっこ、とまらん……っ、だめ、ぁ……」 「……かわいい、最高。……ごめんね、気持ちいいのまだ続いてた?」 「ッ、この変ッ態……」 「おもらし見られて気持ちよさそうにしてるのは裕二さんだからね」  悪いと思いつつ、将平の身体に完全に体重をかける。将平は思っていたよりは平然としていた。 「もう無理、歩っきらん……」 「ごめんね。大丈夫? ……あ、首……、ごめんね、痛くない?」 「痛か」  裕二の首からは血が流れていた。本当にやりすぎたようだと、将平は心の隅の方で反省する。時々、どうにも歯止めが効かなくなるのだ。  将平は、裕二の傷跡の横に、そっとキスを落とした。  「裕ちゃん、そん首どやんしたね?」 「ああ、こい?」  裕二は、大きな絆創膏の貼られた首筋に手を当てて、しばらく沈黙していた。 「…………猫に噛まれた」 「あら、しょうちゃんも手ば猫に引っかかれたっていいよったよ。猫ば飼うたと?」 「……将平が? 手ばや……?」  しばらくして、裕二は頬を赤く染めあげた。  そうだ、自分は将平の手の甲を引っ掻いたのだった。頭がいっぱいで忘れていた。しかも、日常生活で、あんなに目立つところに傷をつけてしまった。彼がどんな顔で、その怪我を説明していることだろう。頬がどんどん真っ赤になっていく。 「どやんしたね」 「や、どやんもしとらん……」  裕二は無理やり顔を上げて、へらっと愛想笑いを浮かべた。

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