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第19話 ※R
城に戻ると美しき箏の音が鳥の無事を伝えてきよる。
あれほど懐かしき、心地よきであった音が後ろめたき身であれば今では母上様よりの叱咤の声にしか聞こえぬ。
あれより十日あまり……金の籠の中、日がな何もせず憎き男に蹂躙されるのを待つだけの日々など死すよりも辛いであろうな。
しかし我は毎夜鳥の元に通うことを止められぬ。
これはもう気が触れたのではないかと思うほど狂おしいというのに、すべて手に入れし時にはどれほどの狂気となるのであろうか……。
我が寝所に入ると、鳥は絹の寝間を纏い、身を清め体に香油を塗り夜伽の支度をして枕辺で頭を下げておる。
顔を上げ側によると我の帯を解き上掛けを外し美しく畳む。
それは父に仕えていた時に覚えさせられた所作であろう……自らの父母を弑した男に長く心を殺し仕えていた時と同じことを我はさせておる。
惨きこと、ならぬこととは思っておっても鳥の美しい姿を見やり、さらさらと衣擦れの音が聞こえ、甘き香油の香りを嗅ぐと、鳥の辛きも、我が王であることも、もはや何も考えられぬ。
薄暗い寝所の中で、鳥が自らの薄い寝間を落とし発光しているかの如き真白な肌を見せると獣のようにその体に引き寄せられ食らいついてしまう。
「眩子様……」
昨夜の跡も癒えていない肌を辿るように重ねて吸い後をつける。吸い付き強く噛み舐め回す。どこを食らっても甘露な味。鳥は白魚のように跳ね嬌声を漏らし快楽に蕩けた瞳で我を見やる。
なんという愉悦か……。
鳥は身を起こすと我の体に香油を塗ろうとした。
「そなたは何もせぬでよい」
「……なれど……」
鳥は手なれた様子で我を喜ばそうとする。その全てが父王のために覚えさせられた所作だと思うと胸が悪くなる。
膝立ちになった細い腰を捕らえると立ち上がって震えている鳥のものを思い切り飲み込んだ。
「な!……なんと言うこと!」
引こうとする腰を引き寄せさらに深く飲み込んだ。腕の中で鳥が逃げようと仰け反りもがくが、それが叶わぬと知ると自らの手を噛み、なんとか我の口の中に出さぬように堪えておる。
「……お、離しください……」
我の頭を掻き乱し、涙声で止めて欲しいと哀願してくる。
堪らぬ。もっともっと狂ったように強う我を掻き抱くが良い。
唾液を多くし、鳥に聞こえるようずるずると音を出し吸い上げる。
「……! 眩子様。どうか、どうか……」
なんと頑固なことか、固く立ち上がり震えるものから蜜がとろとろと出てきておると言うのに唇を噛みポロポロと涙流して耐えておる。
飲み込んだまま香油のついた指を後ろに回し、蕾の周りをゆるりと撫でる。
「……は、はぁ……や、やめ……」
白い体が痙攣して跳ねる。抵抗し言葉を発そうと口を開けるが赤き唇からは甘き嬌声しか出てこぬ。
つぷりと指を入れかき混ぜながら、前より飲み込むと、どちらにも逃げられず白い体がヒクヒクと跳ねた。
「……う、うーーーー!!」
瘧のように痙攣して我の口の中に蜜を吐き出すと鳥の体は力を失い、ぐなりと我の腕に落ちてきた。
我も出さねば収まらぬ。そのまま強く掻き抱きぴたりと体を付け我のものを鳥の下腹に擦りつけると蕩けた瞳で我を見遣りながら我を喜ばそうと背に手を回し縋りながらその白い肌を上下させる。
ぴたりとついた互いのイキりたったものを擦りつけ動かすと熱くなった体で香油の香りが強くなる。
細い腰を強く引き寄せ白い腹に我の子種を掛けた。神の如き金の鳥を穢す愉悦に頭が蕩となる。さらに手のひらで白い肌に擦り付けると思わず笑みが漏れた。
「眩子様…… 」
鳥は我が名を呼び我の背中に縋り掻き抱いた。
それが耐え忍んでおるものでも……習わされたものでおうても我を求めているかの如くで心が震え止められぬ………。
我だけの物だ。もう決して誰にも渡さぬ……。
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