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第25話 ※R

「欠月の身であれど、わたくしの出来うる全てでお仕え致します」  我の上に跨り我を掻き抱き、覗き込むように我の顔を見やる潤んだ(まなこ)、桃果のような(おもて)のなんという妖艶……いにしえの傾国の美姫とは果たしてこのような姿であったのであろうか……。  香油のついた体を滑らせ我の物を白い腹で擦り上げる。鳥も興奮しており熱り立った互いのものが当たった。その細い腰を捕まえ互いの隙間のないほどに強く引き寄せる。 「興してしておるな」 「しておりまする。眩子様にかわいがっていただけることが嬉しく熱が収まりませぬ」  なんと素直な物言い。もはやその心を隠そうとはせぬ。 「なんという愛しきか……」  言うと呆然とした面よりほろほろと涙が溢れた。泣きながら強く我を掻き抱く。 あやすように、そのままゆらゆらと体を揺らすとお互いの子種が腹の間で爆ぜた。  そのまま鳥の体をうつ伏せにし腰を高く上げさせ香油の滑りで後ろに指を入れる。既に覚えた良き場所を探ると耐えるように顔を枕に埋めた。 「申し訳ありませぬ……」 「何を謝る」 「わたくしばかり……」  何を言うても我を自らの身の内に入れられぬことを悔いておる。何も考えぬでよい。覆いかぶさり前に回した指で胸の飾りを押し潰し、後ろより入れた指で急所をゆるく強くと繰り返し捏ねると鳥の体は幾度も跳ね上がり枕よりくぐもった声が聞こえた。もっともっと愉悦に浸りつらきを忘れ全てを我に預ければ良い。 「……構わぬ……我はそなたが我の手の中にいればそれで良いのだ」 「あ…あーーーー」  耳元で囁くと、びくびくと鳥の体が痙攣し子種を出した。  くったりとした身を起こし我を強く掻き抱く。 「……弑してくださいませ……」 「何を言っておる」 「……王のお心がわたくしより離れた時に……どうか我がそうと気づく前に……」 「金華……」 「さすればわたくしはもう二度と寂しくも悲しくもありませぬ……」  無垢な(おもて)でなんという惨きことをねだりおるのか。 「……解うた」  言うと心底、嬉しそうに我の(おもて)を見やる。けしてなきことであるが、そなたがそれで心安ういられるならそれでよい。  落ちるようにそのままその白い体に招かれ褥に沈んだ。  生まれ落ちてよりこのような満ち足りた心持ちになったことがあろうか。  母も兄も還らぬ。力を国を……何をもってしても決して満つることは無きであろうと思っておった身であれど、そなたが居れば全てが満たされる。  そなたが欠けた月なのであるならば、我はその半身なのだ……。

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