イッたせいで少しだけ気怠い。 　チュッと軽くキスをしてから、宇佐見さんが離れていった。 　ベッド脇の引き出しを開け閉めする音がする。それから……、ぬるっとしたもので、熱を吐き出してクッタリしたモノが包まれた。 「ん………」 　その後やわやわと袋を揉み、最後はその奥にある孔へと到達した。 　指先で円を書くように、孔の周りを刺激される。それから……、再度ローションを絡めた指が、オレの中へ入っていった。 　あの日以来一度も刺激を受けたことが無いそこは、痛みは無いものの、やはり違和感がすごくて、思わず顔を顰めてしまう。 「痛い？」 　その問いに、首を振って答える。 　一度抜かれた指が、ローションを絡めてまた入ってくる。ゆっくりと奥まで……。 「ん……、ふっ、ん、ん……、っは」 　与えられた激しい口付けにオレの意識が持っていかれる。口の中で舌が激しくくねり、唇から唾液が溢れる。クチュクチュした音と、唾液をすするジュルっとした音が耳に響き、その音に煽られて、大人しかったオレのモノが反応する。 　いつの間にか指は２本に増えていた。 　四つん這いの体勢で、後ろから指を出し入れされる。緩んできたそこは、指２本をラクに飲み込み、動きをスムーズにしていた。そして……、探すように動いていた指が、感じる場所を刺激した。 「――っ、ああっ！」　大きく仰け反る背中。 「ここだね」　そう言った宇佐見さんは、ますますそこを刺激する。 「あ―っ、やっ、あっ、ああ―っ」 　過ぎる刺激にワケがわからなくなる。腕に力が入らなくて、頬がシーツに触れる。尻だけを高く上げたその体勢で、ひっきりなしに声をあげながら、宇佐見さんの指を受け入れる。 　また指を増やされたような気がするが、圧迫感はほとんど感じなかった。 　ジュプッ、ジュプッ、と、後ろから音がする。その音で煽られ、オレのモノはますますヨダレを垂らす。ふと目に入ったとき、先走ったそのヨダレが、ポトリとシーツに落ちた。 「う、宇佐見さん……っ、もう、もう……」 「もっと感じて。後ろだけでイケるくらいに」 　イイところを刺激されて、硬くなってヨダレを垂らしてはいるけれど、いまひとつ足りなくて、イキそうなのにイケない。もう頭はイクことしか考えられなくて、最後の刺激が欲しくて、オレは泣きながら懇願した。 「もう、もう……、お願っ」 　突然指を抜かれて、失った刺激に頭が混乱する。後ろの孔が物欲しそうにヒクヒクしているのを感じる。 「あ……、あ……」 「この体位は優(スグル)にはキツいけど、でも顔を見てしたい」 　仰向けにされて、涙の浮いた目元にチュッとキスが落とされて、それから太ももを持ち上げられた。 　宇佐見さんと目が合ったとき、何故かオレはへにゃっと笑ってしまった。 「――っ！　入れるよ」 「ふっ、……ぐっ、……うぐっ」 「力抜いて。ゆっくり息して……」 　ゆっくりと入ってくる宇佐見さんのモノ。十分指で解されていても、それ以上の質量に、息が止まる。以前一度だけ広げられたことがあるとは言え、やはりキツい。 　一度抜かれたそれは、たっぷりとローションを絡めてから、また入ってきた。それと同時にオレのモノが握られて扱かれた。 　少しずつ中に入ってくる。痛い。けれど、好きな人と繋ると言う嬉しさの方が大きくて、痛さを忘れる。 　ハッ、ハッ……と浅い息をしながら受け入れていたら「全部入ったよ」と聞こえてきた。嬉しくて、オレはまた笑ってしまった。 「――っ、優！　煽るな」　そう言って、噛み付くようなキスをされた。 　オレの呼吸が落ち着いてきた頃、「動くよ」って言葉と共に、抽挿が始まった。 　ゆっくりと抜かれて、抜けきるギリギリのところでまた、ゆっくりと入ってくる。じれったくなるくらいのその動きが、返ってオレを煽っていく。もどかしさに、気がつかないうちにオレの腰も揺れていた。 　少しずつ激しくなっていくその動き。オレの中の、感じるとこもろ刺激されて、いつの間にか硬くそそり立ったモノも、腹の上でまたダラダラとヨダレを垂らしていた。 「優の中気持ちいいよ」 「あっ、あっ、やっ、ああっ、――っ！、あああああ――っ」 　突然扱かれたその刺激に、目の前が真っ白になる。直後、白いモノが、宇佐見さんの手と、オレの腹、そして顎に飛んだ。 　ますます激しくなる腰の動き。イッた直後に与えられるその刺激に、果てたばかりのオレのものが、また硬くなり始める。 「イクよ。中に……出していい？」 「うん、いい、いいよ、中に、中に欲しっ」 　ズンッと、深く抉られて、その直後、奥に熱を感じた。 「あっ、ああっ、あっ」　ビクビクと中で動くその刺激にも感じてしまう。 「優……」 　チュッと口付けて、それから指で目元の涙をぬぐってくれた。静かにオレを見つめるその瞳は、とても優しい。 　その瞳を見つめながら、じわじわと幸せって気持ちが込み上げてきた。好きな人と肌を合わせるってこんなにも幸せなことなんだと。想いのまま、気づかず言葉が零れ落ちていた。 「幸せ、だな、って……。好きな人と、繋がる、のは、幸せだなって、……気づいた」 　直後、塞がれる口……。 「もう１回、シていい？」 　抜かずにいたそれは、口付けを繰り返す間に、いつの間にか硬さを取り戻していた。返事を待たずに動く腰。達したときに出たもののおかげで、ぬるぬると抽挿される。それに合わせてオレの腰も自然と動いていく。嗚呼気持ちイイ……。 「ひッ！　っああ――」 　ギュッとオレを抱きしめたまま、宇佐見さんが起き上がった。重力に、オレ自身の重さが加わり、今まで以上に深く抉られる。そしてそのまま動かされる腰。不安定な体勢に、思わず宇佐見さんの首に手を手を回してすがりつく。口付けて、密着して、下からも刺激が与えられて、自分の身体が沸騰したように熱くなってワケがわからなくなる。二人の間にあったオレのものにも刺激が与えられて、そして沸点を超えた。 「あっ、やっ、うさっ、み、さっ、ああっ、――イクッ、イク――ッ！」 「うっ、キツ……」 　宇佐見さんのモノを締め付けながらイッた。放出されたそれは、腹から胸へと飛び散っていた。 　下から激しく突き上げられる。気持ちよすぎて苦しい。イッたばかりなのに、またイキそうな感覚が襲ってくる。事実それは既に硬くなっていて、そしてまた、目の奥に大きな火花が飛んだ。 　気持ちいい、苦しい、気持ちいい……。突き上げられ、揺さぶられるそれは、苦痛なのか快感なのかわからなくなってくる。ひっきりなしに出ている声は、悲鳴なのか嬌声なのかもわからない。頭の中に嵐が渦巻いていて、オレは激流に浮かぶ小船のように翻弄されていた。 「いやっ、ダメ、ダメこれっ、ダメ、あああ――っ」 　宇佐見さんが中で熱を放ったとき、ビクビク動くそのモノを締め付けながら……何もわからなくなった。