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第4話

その後、正気を取り戻したルドゥロは、正直に自分が戦いに愉悦を感じる危険な人間であると仲間に話した。 彼らはルドゥロを畏れたりしなかった。 2体の死体は仲間たちが協力して丁寧に埋葬してくれた。 どうやら最初にやって来た女はルドゥロの見目の美しさに前々から目をつけていたらしく、時々高圧的な態度で仲間たちにルドゥロの所在や情報を聞きに来ていたらしい。そうして情報を集め、昨夜おそらく性的にルドゥロを蹂躙する目的で忍び込んできたのだろう。さすがにここまでのことは初めてだったが、強く美しいαとして狙われることはそれまでもあった。 男の方は彼女の仲間か、恋人か。彼女の叫びが聞こえる場所で待機していたのだから少なくとも共犯者であることは確かだ。 諸々のことが終わった後、仲間の1人が「闘技場に行ってみてはどうか」とルドゥロに薦めてきた。その時まだ闘技場は出来たばかりで噂は不確かなものばかりだった。当然一度剣闘士として入ったら出られないことや剣闘士の非人道的な扱いはあまり知られていなかった。 ただ、戦いに楽しみを見出すことができるのならば、それが思う存分できてなおかつお金ももらえるような場所に行ってみたらどうだろうか、と完全な善意で彼は言ったのだ。 当然ルドゥロも喜んでそのすすめを聞いた。 こうして「剣闘士ルドゥロ」は生まれたのだ。 ルドゥロのような経緯をもつ者は珍しい。 観客に剣闘士たちの生い立ちが知らされることはないが、ほとんどの剣闘士たちは借金が返せなくなったり犯罪を犯して政府につかまったりして闘技場にやって来ている。 だから、皆狂ってないのだ。ルドゥロのようには。 殺さねば、戦わねば、と覚悟を決めている猛者たちは多いが、それに楽しみを見出しているものなど少ない。 だから誰もルドゥロを超える高みへと昇りつめることができない。 自分より弱いものしかいない戦いはつまらなくなり、希少価値を上げるために出番は少なくなり。ルドゥロはこれまで以上に強い相手を求めていた。 「ああ、つまらない」

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