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第6話

『お次は~!ミアーネ国のアルトシア!そして~リオン王国のリヴァーダ!』 途切れ途切れ、遠くの方から聞こえてくる司会の声に、ふとルドゥロは顔をあげた。 ルドゥロはちょうどさっき1試合目が終わったところで控室で汗を拭っていた。当然試合結果は勝利。ちなみに大闘技会の優勝者は全回ルドゥロである。 話は戻って、司会の声から『リヴァーダ』の名前を聞き取ったルドゥロは気まぐれに試合を見に行くことにした。 控室から出て、選手通路を通り舞台袖からそっと顔を出す。 剣を構えるリヴァーダの相手は同僚の剣闘士アルトシア。支配人は強いもの同士を戦わせたがらないので鍛錬でしか戦ったことはないが、とてもやり手の剣闘士だ。 彼相手にリヴァーダはどう立ち回るか。 『構え!』 かちゃり。 2人が剣を構え直す音がする。 『はじめ‼』 *** 勝負は一瞬だった。 まず、初手はアルトシアの方が早かった、と誰もが思った。 力強く大きな一振りで的確に首を狙いに行ったが、その刃がリヴァーダに到達する前にアルトシアの顔が大きく歪んだ。 その脇腹にはリヴァーダの剣。 アルトシアの動作の大ぶりさを利用して、あいていたそこに切り込んだのだ。 見えないほどの速さだった。 勿論刃のない剣を使用しているので切れてはいないが、強い打ちは変わらないので痛みはある。衝撃でくの字に曲がったアルトシアの体をよそに、自らの剣を引いたリヴァーダは、体勢を崩したことで近づいた相手の首に剣を突き付けた。 誰が見ても明らかな勝利だった。 ルドゥロは身体が熱くなるのを感じた。 内側からカッと燃え上がったように熱い。 試合を終えたリヴァーダが選手通路に向かってくる。 ルドゥロに気が付いたリヴァーダは、先の人畜無害そうな笑顔とは全然違う、にやりとした好戦的な笑みを浮かべた。 「鷹だと思って油断してろ。グリフォンがお前の首を取りに行く」

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