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にゃー。
コバルトブルー色の瞳が
俺と目が合うと
「…にゃー。」
小さい声で挨拶をした。
「にゃー。」
俺も猫語で挨拶を返す。
「良かった、お前生きてたんだな。」
ホッとして黒猫を洗い直そうと
シャンプーに手を差し伸ばした。
…人間用だけどまぁ、いっか。
***
タオルで拭いてその後ドライヤーで
乾かすとやっとふさふさな綺麗な黒猫になった
黒猫は目を覚ました後もずっと
大人しくていい子。
どうするかな、この猫ちゃん。
連れてきたのはいいけど、
…えっと、飼うの???
このマンションペットOKだから
そのへんは大丈夫だと思うけど
俺、動物飼ったことないから
不安でしかない。
まぁ、なんとかなるか。
「お前、丈夫そうだしな。」
あの流れの川の中、奇跡的に岸で
何かに引っかかって流されぱなしにならずに
尚且つ、俺に見つけられて助けられるって
こいつ幸運すぎかよ。
「にゃー。」
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