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ピンチ
それからゆらと2人で家の中、
俺が作ったナポリタンのスパゲティを
食べて
ゲームしたりお話したりと
家の中だけでも充分楽しかった。
ゆらは終始俺にべったりで、それから
お昼寝を始めた時も俺の手をぎゅっと
握ったまま寝るもんだから
俺も一緒に寝ちゃったし…
ピンポーーーン
インターホンの音で目が覚めると
俺はまだ寝てるゆらから、
そっと手を離して玄関の方へ向かった
ガチャッと鍵を開けて
玄関のドアを開けると
「よっ、大丈夫かよ??」
「さ、紗智っ」
紗智は学校帰りなのかリュックを背負って
コンビニの袋片手に俺に冷たい眼差しを
向けてくる。
「このサボりやろうー
…ま、とりあえず中入る〜〜」
「え、ええちょっと今日は!」
ゆらが寝てるから!
いつもどうり中に入ろうとする
紗智に俺は抵抗をする。
そんな俺に紗智は驚いたが
すぐにハハ〜ンって顔をして
「まさかイケナイDVDでもご鑑賞
されてたのかな??」
「は??!や、ちが…!」
それだけで顔を赤くする俺に
紗智はニヤッと笑って隙をついて
中に入りやがった。
「わ!ちょっと紗智!」
その後を俺は追いかける
「まぁまぁ、アイスとお菓子
買ってきたからぁ……ン??」
ドン!!
急にピタッと足を止めた紗智の背中に
俺の顔がぶつかる。
「いひゃいいひゃい…急に止まんなっ…」
鼻を抑えながら紗智を見ると
紗智も首だけ俺に向けて前を指さした。
「……だれ??あいつ」
「あっ」
紗智が指をさした方を見ると
猫耳としっぽが出てるゆらが
目を擦りながら女の子座りをして
俺らを見ていた。
「ゆ、ゆらぁ…!!」
耳としっぽが!!!!!!
俺はさっきまで2人でかけてた布団を
ゆらにバサァッとかける。
ゆらを隠したあとに涙目になりながら
紗智になんて言おうか考えてると…
「お前にそういう趣味があったなんて…」
ちょっと…いやかなり呆れた紗智の
言葉が俺を突き刺す。
俺はすぐに紗智の所に駆け寄って
首を横に振った。
「ちがう!!これはかくかくしかじかで!
訳ありなかんじだから!!!」
必死な俺に半笑いの紗智が
ふぅ〜〜と息を吐いた。
その時…
「だれ!おまえ!!蓮に何の用!?」
布団を被ってたゆらが
俺の前に出てきて紗智に詰め寄る。
そのゆらに耳としっぽは
無くなってて俺は安堵の息を吐いた。
「えっと…お、お見舞いを…」
「お見舞い!!?なんでもいいけど
俺から蓮をとったら許さないから!!」
「「え??」」
ゆらの発した言葉に俺と紗智の声が重なる。
紗智はというと若干…いやかなりドン引き
していた。
その目を俺に向けて顔を引き攣らせながら
口を開く。
「やっぱお前ってこういう趣味を…」
「なんというか、誤解です。」
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