14 / 42
紗智の提案
帰ろうとする紗智をこのまま誤解させたまま返すわけにも行かずとりあえず座らせて
俺は理由を話すことした。
「それで、朝起きたら猫人間になってたってわけ」
「へぇー…じゃあさっきの猫耳とかは
ホンモノってこと??
てゆーか、目、青くて綺麗だよな。」
紗智はなんとか俺の話を理解してくれた
らしく、ゆらをジッと見ようとした。
ゆらはというと、俺の膝の上で
向かい合って座ってて
紗智を横目で睨みながら
ギュッと俺の服を掴んでいる。
「ゆら、この人は俺の友達だから
大丈夫だよ〜」
一応、さっきもちゃんと紗智を紹介
したんだけどまだ警戒してるらしく
ゆらは俺から離れようとしなかった。
「お前ら、はたから見たら
ホモカップルにしか見えねーよ。」
「ばーか、ゆらは猫だからこれがきっと
普通なんだよ。」
そう言って優しくゆらの頭を撫でる
俺は「ねっ」て、ゆらに微笑みかけると
ゆらはコクコク頷く。
「で??まさか明日も学校サボるわけじゃ
ねーだろーな??」
「そうそう、それなんだよ。
どうしよう、紗智〜」
ゆらを家に独りぼっちになんて……
心配だよー!!!
「ウーン…あ!そうだ!!その子も
高校に連れてけばいいじゃん!」
嘆いてる俺は紗智のアホそうな発言で
顔をあげた。
「え!?でもこの子、入学とか
できるの??」
そう言ってゆらを見ると
また俺の腕の中でウトウトしだす。
人間の親も親戚もいないこの子を
どうやって……
「簡単だよ、蓮の親、金持ちだから
養子にしてもらえばいいじゃん」
「え!?養子!!?」
まぁたしかにうちは結構裕福な家庭の方だけど
養子はさすがに…
「あのお前に甘い両親なら
養子の1人や2人くらい面倒みてくれるだろ」
「そうか??」
「とりあえずさ、今から行ってみよーぜ!
俺も久しぶりにお前ん家行ってみたいし!」
「紗智はただ俺の実家に行きたいだけだろ…」
こうして俺ら3人は近くの実家へ
行くことになった。
ともだちにシェアしよう!