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身元不明の養子縁組

「え!?この子、元は猫ちゃんなの!!?」 ゆらがうちに来た経緯を全て話すと 母さんはただただ驚いて ゆらに詰め寄った。 ゆらは緊張して、でも理解してほしくて そっと耳としっぽを母さんに露わにする。 「ぇひぉえら?!!??」 それを見た母さんは声にならない 声をあげて、まじまじとゆらの耳としっぽを 見始めた。 ゆらは恥ずかしそうに振り返り俺を目をぱちぱちしながら見てきて、俺は笑顔を返す。 「たしかに本物みたいね…凄いわ… こんなことが現実で起こるなんて…」 「俺も何でかはよくわかってないんだけど 起きっちゃった事は事実だから受け入れる」 俺の言葉に母さんはコクコク頷いて そしてゆらの手を両手で握って拾い上げた。 「あなた、私のおうちの子になりたい??」 そして、 優しく微笑みかける母さんにゆらは 「なりたいです!!」 そう告げて頭を下げてガシッと母さんの手を つかみ返してる。 母さんはそんなゆらの態度に にんまりと笑って、ふわっと ゆらを抱き締めた。 「よろしくね、ゆらくん」 「は、はい!……お、お母さんっ」 慣れない呼び方に戸惑いながらも 母さんの目をちゃんと見て返事をした ゆらに俺は安心して母さんに駆け寄った。 「ほんとにいいの!?しかもこんなすぐ!?」 母さんは俺に振り返って 得意げに笑う。 「あなたの頼みだもの。 断るはずが無いじゃないっ! しかもこんな可愛い青い目の男の子を 養子に出来るなんて嬉しいわ! お父さんも絶対賛成すると思う!」 「母さん…」 こんなに母さんは俺のために何でも してくれようとしてるのに 俺はそれが嫌で離れようとしてて 正直そんな今までの自分が恥ずかしいし、 息子として最低だよ。 ちゃんと親孝行しなきゃだなぁ。 そうだ!! 「ほんとにありがとう!!! あのさ、それで母さんと父さん、 何か俺にしてほしいこととかない!? 俺、何でもする!!」 母さんは俺に驚いた顔をしつつも 凄く嬉しそうに笑って 「ふふっ考えとくわっ」 そう言って俺にウインクをした。 「あ、とりあえず今日はもう遅いから 三人とも泊まっていきなさいっ」

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