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眞織SIDE

男が立ち去ってすぐに 救世主は振り返ってきた。 「大丈夫?…じゃないか。 とりあえず服、直した方が」 「え、あ、う、うん」 俺は少し震えた指先で 乱れた制服をゆっくり直す。 この人が来てくれてほんとに良かった。 「……あの、ありがとう。 君が来てなかったら今頃、、」 あいつに…… 「いやここ俺のサボりスポットだからねー ここがサボりスポットで良かったよなー」 「さ、サボりスポット??」 「そう、俺 ここの鍵持ってんの。へへ お前も一緒にサボる??」 どうやらちょっとばかりアホっぽい けど俺の周りにはいない感じの人だった 一緒にサボる?って多分 気を遣って言ってくれたんだろう。 俺はコクコク頷いてそれを見て 笑う救世主。 あ、そうだ 「な、なまえ」 名前なんて知りたいと思うこと無いのに 名前で呼んでみたかった。 てゆうか、俺は多分あの日 この人とキスした時から…きっと 「長瀬 蓮だよ。みんなは蓮って呼んでる」 れん… 「じゃあ俺も蓮って呼ぶ。 俺は 「花野井 眞織くんだよね?」 え?あ、う、うん!」 ドキドキ なんで俺のこと…! 「有名だから名前くらい知ってるよ! でもこんな喋れるとは俺も思ってなかった からちょっと嬉しいというか友達に 自慢しようというか」 照れ笑いしながら頭をかく蓮は 爽やかで後ろからさす太陽の光からか 凄く眩しく見えた。 発言がちょっとアホっぽいけど。 「じゃあ眞織って呼んで…! その、と、友達に…」 「え!?いいの??じゃあ眞織って呼ぶ! よろしくなー!」 「う、うん!」 俺の頭をぽんぽんたたいて 蓮はフフッと笑った。 ドキドキ その笑顔にきっと俺は 恋に落ちたのかもしれない。

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