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首の後ろに手を回すと、楽しそうに目を細めた童顔が迫ってきて、そのまま、吸い付くようにキスされた。
舌がねじ込まれる。
擬似的にセックスしてるみたいに、抜き差しが繰り返されて、どんどん息が上がってくる。
「すごい、目、とろんとしてて可愛いです。初めてですもんね。気持ちいいですか?」
「んぅ……きもちぃ」
「もっといっぱいありますよ、気持ちいいこと。ベッド、お借りしてもいいですか?」
返事をする間も無く、ひょいと横抱きに持ち上げられた。
「うわ!?」
「ふふ、見た目によらず力持ちだねって、よく言われます。はい」
そっとベッドに降ろされた、と思ったら、篠山はすぐにトレーナーを脱いだ。
童顔からは想像できない、割れた腹筋。
上半身裸でのしかかってきたと思ったら、30秒もしないうちに、全身剥かれてしまった。
「恥ずかしいですか? 顔真っ赤です。こんなの、会社の人に言えないですね」
「や、ゃ……」
「大丈夫です。言わないって言ってくれたの、安西さんの方じゃないですか」
急に素っぽく言われて、なぜかそれで、興奮してしまう。
篠山はオレの両足首を持って、軽く開いた。
「可愛い……お尻、ひくひくしてます。自分でお尻もするんですか?」
「ん……っ」
「指ですか? それとも、おもちゃ使って?」
「ゆびだけ、だ」
「じゃあ、俺の挿れたら、気持ちよくておかしくなっちゃうかもしれませんね」
篠山はズボンのポケットからやわらかそうな紐を取り出し、俺の両手首をまとめて縛った。
「ちょっと待っててください。それ、痛くないとは思いますけど、無理矢理取ろうとしたらぎゅってなっちゃうので」
「は……っ、ゃ、やだ、取れ」
「って言いながら暴れもしないから、安西さんは素直で可愛いです。楽しみですね。そういうタイプは、あとでドエロくなっちゃうので」
荷物の中から何やらとってきたらしい。
パチンと蓋を開けると、シトラスの香りが部屋に広がった。
「マッサージオイル。上半身ぬるぬるになったら、気持ちいいですよ」
篠山は、手の中で温めたオイルを胸から腹にかけて、まんべんなく塗った。
乳首のあたりをくりくりと攻められて、オレは思わず、あられもない声を出してしまう。
「あ、あ……っ、んっ」
「乳首、気持ちいいですか?」
「んぅ……っ」
「よさそうですね。腰、跳ねてますし」
指摘されて初めて気づいた。
体がびくびくと揺れて、腰は、ねだるように跳ねてしまっている。
篠山は執拗にオレの乳首をこねくり回しながら、太ももの内側に、下半身を押し付けてきた。
デニムの布越しにも、パンパンに勃起しているのが分かる。
「ねえ、分かりますか? これ。俺のちんこ。安西さんのエッチな反応見て、興奮してるんです」
「ん、んぅ……」
「これ、そのエッチなお尻の中に、挿れるんですよ」
ゾクゾクする。その目が。
表情を消せばいつもの陰気な篠山のはずなのに、いまは、色気と欲にまみれている。
「フェラしますね?」
「あ、んっ、手首、取れ……やぁっ」
「そういうの言われると燃えます」
舌先でつーっと、裏筋を舐め上げられた。
そのまま先端に口づけ、ちゅうっと吸われる。
「おいし」
「…………ッ、ん」
「我慢しなくていいですよ」
ぱくりと丸ごと口に含み、唇をすぼめて、じゅぽじゅぽと上下する。
「あっ、あッ、……ゃあ、あ」
篠山はオレの腰と太ももをがっちりホールドしていて、身をよじっても全く逃げられない。
気持ち良さで、徐々に理性が飛びつつある。
「ふ、ぁ……っ、篠山、」
「あゆむです」
「んう、……も、や、出……ぅ」
「はい」
「はぁ……っ、あっ……ぅ」
篠山は、器用に口淫を続けながら手元を探り、ローションを取り出した。
濡れた指で、後孔の周りをつんつんと突かれる。
「……ん、んぅ」
「中も一緒にしましょう」
「あ、……あ、やだ、や、……っ、あ」
「すごい、すぐ1本入っちゃいました」
ぐるぐると指の角度を変え、探ってくる。
良いところをかすめるたびに体が跳ねて、篠山はそれを楽しんでいるようだった。
「ほら、もう3本目も入っちゃいますよ」
「はあっ、あっ……、」
「ここ気持ちいいですか?」
「んん……っ、きもちぃ、しのやまぁ」
射精感が高まる。
ぐっと足に力を入れると、突然、動きがぴたりと止まった。
「……っ、くるし、」
「出したいですか?」
「んっ、ん……、だした、ぃ」
「じゃあ、おねだりしてください」
篠山は大きく口を開けたまま、オレの言葉を待っている。
オレは泣きそうになりながら、声を絞り出した。
「あゆむ、出させて。お願い」
「……よくできました」
「ああッ、あっ……! んっ、あっ! イク、イッちゃ……っ! あぁああッ!! …………っ!」
頭が真っ白のまま、大量に吐精。
気づいてバッと飛び起きると、篠山は、出したものを全て飲み込んでいた。
「ちょ、おま……っ、信じらんね」
「普段はこんなことしないんですけどね。安西さん、可愛いので」
「かっ、かわいいとか……」
「手首の、解きますよ。で、俺の挿れさせてください」
篠山は目を伏せ、楽しげな顔で紐をほどいた。
ガチャガチャとベルトを外し、下着ごとズボンを下げると、童顔にはまるで似合わないサイズのそれが、反り上がるように勃っていた。
「ね、俺も興奮してます」
コンドームをつける手つきを、凝視してしまう。
触れられているわけでもないのに、興奮で息が上がってきてしまう。
「やばいですねこれ。背徳感が」
「い、いいから、もぉ」
「……安西さんって、結構煽り上手なんですね?」
膝の裏を掴まれ、そのまま、後転するのではないかというくらい、脚を高く持ち上げられた。
篠山のペニスの先が、ぴたりとくっつく。
「安西さんは、強引にされるのが好き、と」
そうつぶやくと同時に、一気に体重を乗せて、中を貫かれた。
「あああぁあッ……!!」
「うわ、挿れただけでイッちゃいましたね。可愛いです。エッチ大好きになっちゃいますね」
「あンッ、はぁっ、あ……っ」
「ねえ、どうですか? ほとんどしゃべらない新卒1年目の後輩に、犯されるの」
「あぅ、やだ、言うなぁ……っ、」
「あらら、泣いちゃった。泣くほど気持ちいいですか。……っ、俺も、すごいイイです」
高速で奥を突かれて、パンパンと激しい音がする。
オレは篠山の腕にしがみついて、ギリギリの理性を飛ばさないように耐える。
そうでもしなければ――
「すごい、中、エッチですね。うねってます」
「ちが、ん……ッ、はあっ」
「違わないですよ。真っ赤な顔して。気持ちいいですよね? ……ね?」
「ああああぁぁあ……ッ!!」
びゅくびゅくと、腹の上に精液が飛ぶ。
篠山は眉を寄せながら、より一層激しく突いてきた。
「ほんとにしたことないんですか? デリヘルで相手喜ばせたって意味ないですよ」
「ん、ん……、はじめ、て」
「かわいー。俺セックス大好きなんで、」
一旦言葉を切った篠山は、脚を抱え直して大きく腰を引き……一気に貫いた。
「あああッ!!」
「また呼んでください」
「あ、やだ、待って……、イッてる、イッ……! ああっ!」
「キスしていいですか? それで俺もイキたいです」
「ん、んー……っ、ん」
「…………っ」
快感に悶えながら、篠山の絶頂を受け止めた。
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