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「ろ、しょんで」
「わかった、じゃあ舌でとろとろに濡らしてから、指で奥まで開いてあげるね」
「んっ、なんで」
極力触れられたくないのかもしれない。葵が口にした選択を、美智はあえて跳ね除ける。葵は涙を浮かべた目で絶望したようにこちらを見つめてくるけれど、それがまた相手を煽るのだと分からないのだろうか。
双丘に手を掛け、秘められた部分を晒していくが、そこは葵の心情を表すようにきっちり閉ざされている。
「あッ……いや…や、だ」
腹に蜜を零し続ける箇所と後孔を結ぶ会陰に舌を這わせると、初めて葵の口から拒絶の言葉が出た。でもあくまで口だけ。健気に膝を抱え、彰吾には相変わらず乳首を指と舌で好き勝手に弄られたまま。
たっぷりと唾液を纏った舌を尖らせて孔を突けば、ヒクヒクと震え出すが、受け入れるまでには至らない。
「葵、力抜かないと。ほら、大きく息してごらん」
入り口を濡らして顔を上げた美智は、葵に協力を強いた。葵に侵入する様が気になるのか、彰吾もその言葉に動きを止め、こちらに視線を向けてくる。
葵は頬を上気させ、イヤイヤを繰り返しながらも美智の言いつけ通り、少しだけ深く呼吸をし始めた。
「あっ、あ……んーッ」
「狭いね、もっと力抜かなきゃダメだよ」
吐く息に合わせて人差し指を埋め込むが、中の粘膜は美智を拒絶するようにきつく収縮してくる。
潤いきっていない場所をまさぐれば引き攣ったような痛みが湧くだろうが、葵はその中にもきちんと快感を見出せているらしい。萎える気配がないどころか、さらにぽたぽたと先端から透明の雫を溢れさせている。
「ん、んッ…あ……ん」
指の根元に唾液を垂らして潤いを足すと、格段に抜き差しがしやすくなった。時折ぐるりと指を回し、押し広げる動作をするのも葵には堪らないらしい。刺激から逃げるように細い腰が机の上で跳ねる。
「ミチ、そのペースだと昼休み中に終わらねぇよ。早くローション使えよ」
いつも以上に丁寧に下準備をする美智に彰吾が少し呆れた顔で声をかけてくる。確かに黒板の上に掲げられた時計は、昼休みがすでに半分終わったことを示していた。
「終わらすつもりないよ。彰吾も抱きたいでしょ?」
「今すぐぶち込みたいの我慢してんだから、さっさと終わらせろって」
「はいはい。品のない男はやだね」
軽くあしらいはするが、彰吾の言うことを聞くつもりはない。美智は再び体を屈めると、指を咥え込んでヒクつく箇所に舌を這わせた。
指で縁を広げ、隙間を作るとようやく舌を中に埋めることができる。普段ここまでしてやることはほとんどないが、どこもかしこも美味しそうな色をする葵を直に味わいたくなったのだ。
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