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4*
「このあいだより中柔らかかったけど、昨日セックスしたの?」
「……ん、朝」
「ふふ、そう。朝シてから登校したんだ。本当にエッチだね、葵は」
美智との会話は、彰吾の苛立ちを煽った。
前回美智の後に葵を抱いたことには納得している。見つけた方が先に抱くのは二人の中での暗黙のルールだからだ。だから今日は自分が葵を割り開けることを楽しみにしていた。でもどうやら彼の主人に先を越されているらしい。
「あ、あぁぁッ、や、あっ」
どれほど解されたかも確かめず、彰吾は感情の赴くまま葵を一気に貫いた。馴らされたとはいえ、さすがに急すぎたのか葵は拒むようにきつく締め上げてくる。
「んッ…あぁ、ま、て……やだ、あッ」
逃げ出したがる細い腰を両手で固定し、ガツガツと突き上げると葵の泣きがひどくなった。嫌がるくせに、すぐにもっと奥まで飲み込もうと収縮する後孔も、葵を育てた人物の影がチラつき無性に腹が立つ。
「葵、もっと優しくしてっておねだりしてみたら?こんな抱かれ方は慣れてないでしょ?」
葵の主人は傷をつけることを何より嫌うらしい。当然、乱暴な行為にも及ばないのだろう。今だって葵を抱いているのは彰吾だというのに、葵が縋り付く先は甘やかすような声を出す美智のほう。
「あ、おね…がい……んッ、緒方さ、ん」
「何のお願い?どうしてほしーの?」
簡単に美智の口車に乗った葵は、彰吾を見つめ懇願してくる。でもそれは彰吾をさらに激らせるだけだ。己を貫く怒張が質量を増したことに気付いたのか、葵は困ったように眉を顰めた。綺麗な顔立ちだと、そんな表情さえ麗しく見える。
「ん……あッ、ちゅー、して」
「何それ、かわいいね葵。俺がしてあげよっか?」
葵が悩んだ末に口にした台詞は、彰吾だけでなく、仕掛けた美智もまた予想外だったようだ。相当煽られもしたらしい。今は彰吾の番だというのに小さな顎を掴んで、自分のほうへと振り向かせる仕草までしてしまう。
「んッ……んーっ」
「あーあ、取られちゃった」
美智とのあいだに割り込むように、リクエスト通り葵の唇を奪ってやる。つまらなそうな美智の声が聞こえるが、後で好きなだけすればいい。
深く体重をかけ奥まで昂りを埋め込みながら舌を吸ってやると、連動したようにきゅうと後孔の粘膜全体で彰吾を包み込んでくる。
初めての行為でも学んだが、葵はキスを交わしながらの甘ったるい突き上げが相当好みらしい。彰吾の趣味ではなかったが、葵の反応が良いと、当然彰吾の感じる愉悦も増していく。
「んっ、ん……あぁッ、ん」
葵の特に感じやすい場所を狙って腰を打ち付けると、収縮が一層激しくなった。一度しか抱けないのならばもう少し長く楽しみたいところだが、気を抜くとすぐに持っていかれそうになる。
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