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「あ、あぁっ……ん、や」 一番奥まで届く中指とはいえ、たった一本で泣き出す敏感な体には育てた側の馨も時折驚かされる。恥ずかしそうにしながらも、物足りないと言わんばかりに腰を揺らし、馨の指をきゅんと締め付けてくるのだから本当にやらしくて仕方ない。 「ここも腫れてるのかな?」 「……ッ、ん、あぁ」 擦り上げられることを待っている部分をトンと指の腹でいじってやると、控えめだった葵の声が大きくなっていく。ここに初めて触れた時は、違和感しかなく、未知の恐怖に泣きじゃくっていたというのに、よく成長したものだ。 「あ、あっ、やぁぁッ」 念入りにそこだけを集中して苛めてやると、すぐに葵は音を上げて、そして膝から崩れ落ちてしまった。バランスの取れなくなった体をすぐに支えてやるが、これで解放してやるつもりはない。 「怪我してないか診てるだけなんだから。気持ち良くなっちゃダメでしょう?さぁ、もう一度」 射精はせずとも軽く達してしまったのだろう。はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す葵に同じ遊びを強いると、全身の震えが増した気がする。だが、葵は素直に先ほどの体勢に戻ってみせた。 「いい子だね、葵」 白く柔らかな双丘に口付けて褒めてやれば、葵が嬉しそうに吐息を溢したのがわかる。 幼い頃、葵に何もかも失くした経験をさせたからだろう。葵は馨に捨てられることをひどく恐れている。だからこうして褒められると安心するようだ。 「あッ……あぁ、ん」 「中も真っ赤になってるね。美味しそうだ」 今度は二本の指を埋め込み、そしてゆっくりと開いていく。紅い粘膜がジェルを纏ってテラテラと光る様は、比喩ではなく本当に食べてしまいたいと思わせる。 こんな風に明るい場所でじっくりと観察される行為は、何事も素直に受け入れる葵でも、いつも少し嫌がる表情を浮かべてみせる。今も目元は蕩けているものの、眉根は何かを堪えるようにひそめられていた。 「今度また、奥まで開くおもちゃ使ってみようか。あれ、気に入ってたものね」 馨の言葉に、過去された悪戯を思い出したのか、葵の体が小刻みに震え出した。相当な羞恥と恐怖が植え付けられているらしい。腹につきそうな程、勃ち上がったものがわずかに質量を失ってしまうのも見えた。 確かにあの日の葵は珍しく抵抗を見せていた。銀色に光る道具を見せた時は、それがどう使われるのかが分からず大人しくしていたものの、それを差し込み、開いて固定してやると、ぽろぽろと涙を溢して嫌がったのを思い出した。 鏡まで用意して葵自身に見せつけたのも良くなかったのかもしれない。

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