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7*
「それに、私の方がこれ以上我慢出来そうにない」
葵を焦らすのは楽しかったけれど、火照る体を持て余して苦しがる葵の様子は十分に馨を煽ってきた。馨だって我慢の限界だと知らしめるように昂りを押し当てながら囁く。
もう幾度となく夜を共にしているというのに、こんな戯れにさえ頬を染めて恥ずかしそうに瞼を伏せる。それが馨を更に煽るのだとちっとも学習しない。
「さぁ、どうなってるか見てみようか。きっとパパに触って欲しいところがすぐ分かる気がするな」
首元のボタンに触れ、ゆっくりと外していく。白く浮き出た鎖骨さえも吸い付きたいほど魅力的だが、それをこらえて一つ、そしてもう一つと作業を続けた。
「ほら、やっぱりね。葵も見てごらん」
全てのボタンを外し終えたブラウスを左右に割り開くと、想像通りの光景が広がっていた。滑らかな白い肌の中で唯一色づいているのは胸と、そしてゆるりと勃ち上がった下腹部の器官。
鏡ほど鮮明でないにしろ、淫らな行為を期待する身体を正面から眺めるのは耐えられないのか、葵は自分の顔を手で覆ってイヤイヤと首を振ってしまう。だから馨は叱るようにその手を捕らえ、窓に置くよう誘導した。
自然と突き出された腰に、ブラウスが濡れるのも厭わず、ジェルのボトルを傾けていく。とろりとした粘り気のある透明の液体は生地に染み込み、白い肌を透けさせる。
「ッ……はぁ……ん」
「大丈夫。すぐ温かくなるよ」
葵が息を呑んだのはきっとジェルが冷たかったからだけではない。腰から臀部、そして太腿へとゆっくりと液体が伝い落ちる感覚が堪らないのだろう。馨はそれを追うように指を這わせ、そして掬い上げたものを柔らかな狭間へと塗り込んでいく。
まずは馴染ませるように指を数度行き来させ、そして葵が息を吐くタイミングに合わせて蕾へとつぷんと先を埋め込ませた。
「んんッ……あ、あぁ」
「少し苦しいだろうけど、我慢するんだよ」
今度は指を突き入れている部分にジェルを継ぎ足し、侵入を深めていく。ガラス窓についた手をぎゅっと握りしめながらも、葵は馨の言いつけを守るために懸命に呼吸を繰り返していた。
馨が葵の耳朶やうなじを啄むたびにひくつく後孔は、ジェルの滑りを助けに少しずつ緩み始める。中指を楽に抜き差し出来るようになってようやく馨は隙間から人差し指もすべり込ませた。
「ン、あっ……ん」
ぬるついた粘膜は新たな侵入者を締め付けはするが、揺さぶってやると心地良さそうに収縮を始めた。
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