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「パパとの生温いセックスじゃイケないぐらいになろうよ」 体の角度を変え、葵の胸に舌を這わせながら、美智は葵にとっては呪いのような言葉を囁いてみせる。彰吾も熱く爛れたような中の粘膜を爪で引っ掻いてやりながら、もう片方の突起に狙いを定めた。 周辺の皮膚を軽く啄んで焦らしてからツンと立ち上がるそこを口に含む。小さな粒は舌先で簡単に潰せてしまう。 「ッ、あぁぁっ……んーッ」 「ほら、やっぱり。好きでしょ、これ」 甘噛みされたまま喋られる刺激すら堪らないらしい。葵は痺れたように体を震わせ続ける。だが二人に捕まった状態からは逃げられやしない。 左右の飾りをバラバラに吸われて弄られるだけでなく、二人には指で中も犯されている状態だ。 「も、っ……あっ、あっ……ヤダ……」 競うように弱い部分を探り、互いの指を押し退け合う動きは葵にとってはもどかしく、そして苦しいのかもしれない。けれど泣きながら懇願する葵を見て、彰吾も美智もますます可愛がりたくなる。 「やだ、じゃないよね?好きって言ってごらん。もっと気持ち良くなるから」 彰吾は葵に拒絶の言葉を吐かせ続けても構わないと思う。けれど、美智はどうやら二人から与えられる快楽をきちんと受け入れさせたいらしい。体だけでなく、葵の心も征服するつもりなのか。 「ほら、葵。こうして俺たちに苛められるの好きだよね?」 「あ、っ……ん……す、き…」 「じゃあ、もっとしてほしいね?」 もうやめてほしいに違いない。だが、葵は美智の問いかけに頷いた。 「んな嫌そーな顔で」 態度は従順だが、表情は本音を隠しきれていない。でも感情のない人形よりも、こちらのほうが彰吾にとっては好ましかった。だから思わず笑ってしまう。 なぜ笑われたのかも理解できぬ様子の葵に見つめられ、彰吾はまたその唇を奪う。伝ってきた涙を拭い、熱を持つ舌を絡め取る。二人に嬲られる行為にはまだ慣れないようだが、やはりキスを与えると落ち着くらしい。 「ぅ……、んぁ……っ」 美智にはまた胸を吸われ始めたようだ。埋め込んだままの指への締め付けでそれが分かる。 美智の指を二本、そして彰吾の指を一本咥え込んだそこはすでに蕩けきって、さらなる陵辱を求めている。葵の腰が自然と揺らぎ出すのがその証拠だ。彰吾もそろそろこの戯れを次の段階に進ませたくなっていた。時間にも限りがある。 葵とのキスを切り上げ美智を見やると、彼も頃合いだと感じていたらしい。 「先いいよ」 毎度順番を決めているわけではないが、今日は遅刻をした自分が後だと自然と思い込んでいた。だから葵から指を引き抜き、明け渡すポーズを取った美智の態度には少なからず驚かされる。 「いいのか?」 「いいよ。俺さ、体温高い子に咥えてもらうの好きなんだよ」 「あぁ、そういうこと」 どうやら美智は葵を別の方法で犯したがっているだけらしい。にこりと笑ってくる彼はやはりイカれている。 ソファの上で四つん這いの姿勢を取らせた葵の頭側に、美智は腰を下ろした。口淫をさせたのは結局あの日の一度きりしかなかったが、聡い葵は自分が何をすべきなのかは理解したらしい。

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