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4*
「まずはこれ、しゃぶってごらん」
大人しく唇を開いて美智の差し出した指を受け入れる。どうやら美智は今回葵をしっかりと仕込むつもりらしい。彼がそのつもりならば、彰吾も遠慮をするつもりはない。
葵の腰回りを隠すシャツを捲り上げると、無防備な白い双丘が晒された。小ぶりだが柔らかな弾力が彰吾を楽しませる。揉み込まれて葵は恥ずかしそうに振り向こうとするが、美智にやんわりと頭を押さえられ、止められていた。
「葵はキスが好きだから、きっとフェラも気に入るよ。こうやって中引っ掻かれるの、気持ちいいでしょ?」
「んっ……ふ、あぁッ、ん」
美智は指先で葵の口内の粘膜を弄っているらしい。規則的にクンと腰が揺れているから、指摘通りきちんと快楽を見出しているようだ。
葵が口での奉仕を覚えれば、三人での遊びの幅も広がる。だから美智は葵が抵抗を感じないよう、丁寧に教えようとしているのだろう。ゆっくりと指を突き入れ、唾液の絡め方も吸い付き方も指導してやっている。
それを視界に捉えながら、彰吾は目の前にちらつく蕾に指を這わせた。先ほどまで三本も指を咥えていたそこは、ぱくぱくと物欲しそうに収縮を繰り返している。
でも美智が初めに注いだであろうローションの量では、彰吾を受け入れさせるには足りない。だから彰吾はポケットから新たなパックを取り出し、封を噛み切った。そして指で窄まりを左右に開き、奥へと注いでやる。とろりと伝う粘液の冷たさが堪らないのか葵の体が大きく揺れた。
「んんッ……あぁ、っく」
「葵、ダメだよ。こっちに集中。同時に咥え続けられるようにならないと」
美智の指から口を離そうとした葵はすぐに叱られ、また後頭部を押さえ込まれていた。その反動で、喉奥まで指が到達したらしい。葵から苦しげな呻き声が聞こえてくる。
それを可哀想だと思わずに興奮する自分も、美智と同じく、イカれているのだろう。
とろみのある液体を継ぎ足した後孔から指を引き抜いた彰吾は、代わりにより質量のあるものを充てがう。美智に視線を投げれば、彼は葵の口を犯す指をもう一本増やしてみせた。
「そのまま噛まないように、彰吾のこと受け入れるんだよ。出来る?」
葵がコクリと頷いたのを見計らい、彰吾はゆっくりと腰を進めた。
だが解した上に、十分滑りを良くしているはずのそこは今までにないほど強く彰吾を拒む。美智の指を何本もしゃぶらされて苦しがる葵には、彰吾に犯される余裕がないのだろう。
「───ッ」
「葵、力抜け。きつい」
「息止めちゃったら苦しいでしょ?落ち着いて、大丈夫」
彰吾が腰を掴んでゆるく揺さぶってやるのと同時に、美智も髪を撫でて宥めてやると葵の体の強張りが少しずつ解けていく。
強引に貫いてやることは出来るが、それでは葵を躾けたい美智の意図には反する。仕方なく、葵の辿々しい呼吸に合わせて楔を打ち込むように慎重に体を進めていく。早く散らしてやりたい彰吾にとっては、もどかしいばかりだ。
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