10 / 269
第10話
………これは出来たのか?
炎の色は変わったけど、それが地獄の炎なのかは分からない。
何か試せないか?
そう思って周りを見るけど、ここは地下牢だからものの見事に何もない。あるのは石作りの壁と床だけ。壁と床を眺めてると、ふと試す方法を思い付く。
…………………いやいや、流石にそれはまずいよな。
そう思って俺は首を振った。
駄目だと思いつつも、俺はチラッと床を見た。
でもちょっとだけなら………
ほら炎は小さいし、石だからそうそう燃えることないだろうし、燃えたとしてもちょっと焦げ目がつくだけだよね。
俺は手元にある黒い炎と床を交互に見る。
危なかったらすぐ消せば良いんだよね。
うん、そうだ。それなら大丈夫。
そう思って俺は好奇心に負けて、手元の黒い炎を少し離れた場所に投げた。燃えるかと思って、俺も身を屈めた。
炎を投げて数秒、何も起こらないことに気付いて俺は首を傾げる。
……あれ?もしかして失敗?
そう思って俺は恐る恐る炎を投げた場所を覗き込んだ。そこには黒い炎は無くて、あるのは小さい穴。その穴は所々赤くなっている。
……これってもしかして、燃えたんじゃなくて溶けた!?え、あれ?石の溶解点って何度だっけ?あの黒い炎、そんなに温度高いの!?
しかもよく見てみると、その穴は奥深くまて続いてるように見えた。
自分で考えたとはいえ、地獄の炎怖っ!!
あんなので攻撃したら大惨事だよ。………うん、これは封印しておこう。
俺は気を取り直して他の魔法も試してみた。魔法について分かったことは、俺のイメージがかなり重要なこと。
しばらく練習したことで、俺は魔力放出にも慣れて、属性ごとに使える魔法を増やした。
まだ魔力の加減が今一だけど、ある程度イメージを形に出来るようになった。
それじゃ、行動開始だ!!
ともだちにシェアしよう!