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第13話

おばさんにギルドの場所を教えてもらって、俺はその建物を目指す。 ………冒険者ギルド ヤバいな!すごいワクワクしてる! 俺の思い描いてるギルドは、まぁ定番だけど冒険者が沢山居て、受付のお姉さんが居て、クエストの依頼書とかがボードに貼ってあって。受付のお姉さんが猫耳とかの獣人だったら完璧だよな。 そんな事を考えながら、俺はギルドの前まで来た。 ……これが冒険者ギルド 俺はその建物の立派さに驚いた。 入り口に看板らしきものを見つける。 見ると『δΨΠΦζ φБσρξ』と書いてあった。 あ、読めないや。……こんな時に翻訳スキルとかあったら便利なんだけどなぁ。 これが転生とかだと大抵得られるスキルなんだけどな。まぁ俺は転生じゃなくて召喚だから仕方ないんだけど。 俺はもう一度腕時計を見る。時間は7時を過ぎていた。 ………もう誰か居るよな?そういえばギルドって営業時間とかあるのかな? 漫画とか小説ではそういうのって殆ど出てこないんだよなぁ。 もし時間外だったらどうしようとか思ったけど、俺は駄目だったら出直せばいいと思って恐る恐る入り口のドアを開けた。 中を覗いてみると、薄暗くて人は見当たらない。 やっぱり時間外なのかな? 「あの……何かご用ですか?」 そう思っていると、突然横からそう声がして驚いた。見ると女の人が立っていた。服装からギルドの受付の人みたいだ。 「あ、すいません。驚かせてしまったみたいですね」 そう言ってその人は慌て出す。 「いえ大丈夫です。こちらこそすいません。………あの、ここって冒険者ギルドであってますか?」 「はい、ここは冒険者ギルド、アルザイル支部です」 そう言ってその人は笑った。 やったー!!夢にまで見た冒険者ギルド!! 「あ、あの!俺……」 話そうとした瞬間、『グゥ~』と盛大にお腹が鳴った。 「…ぁ」 ……そういえば、昨日の昼から何も食べてなかった。 お姉さんもその音を聞いてクスクスと笑う。 ヤバい、これはすごく恥ずかしい。 俺は顔が熱くなるのが分かった。 「簡単なものでよければ用意するので食べますか?」 とお姉さんがクスクスと笑いながら言う。 「………お願いします」 「では、こちらへどうぞ」 とお姉さんは手で示した。 ここでお待ちくださいと言われて、テーブルに案内された。 俺は椅子に座って、フゥと息を吐いた。 俺は周りを見回した。 受付カウンターに依頼書を貼るボードもある。何から何までもがイメージ通りだ。 俺はようやく念願の冒険者ギルドに来たんだ。

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