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第18話

次々倒れる兵士に、他の兵士たちも飛雷への警戒を強めた。魔術師たちも持ち場を動かないものの、飛雷に注意を向けていた。 今の内だな。 そう思って、俺は入り口から離れた場所に移動する。国境の手前までくるともう一度兵の位置を確認するために『風読』を使った。 風魔法 【風読】 風が広がって兵の位置を教えてくれる。 ………この辺には兵はいないな。上に3人、か。このまま上に行くと鉢合わせするけど、この期を退かすわけにはいかない。この明るさじゃ『暗幕』は意味がないな。…………このまま行くか。 考えてても仕方ないと思って、俺は強行突破を決めた。 風魔法 【飛翔】 風が巻き起こって体を浮かす。俺は一気に国境の頂上まで飛んだ。 頂上に降り立つと、その国境の壁自体もかなりの幅があって驚いた。 向こう側まで走り抜けるしかないか。 「貴様何者だ!?」 そんな事を考えていると、突然後ろからそう声がした。見ると3人のローブを着た人たちに囲まれていた。 ………さっき確認した魔術師か。 「……出来れば見逃して欲しいんだけど」 そう言ってみるけど、魔術師たちは既に戦闘体勢に入っている。 やっぱり見逃してはくれないか。 そう思っていると、魔術師たちが何か唱え始めた。 「我が声に答え目の前の敵を打て……」 っ!まずい、これ詠唱だ。 「ファイヤーボールッ!!」 気付いた時にはもう遅くて、俺に向かって魔法が放たれた。周りに爆音が響く。 っ!びっくりした!魔法耐性があって良かったぁ。 魔術師が放った魔法は見事に直撃だった。でも魔法耐性と防御が付与されたローブがあったお陰で多少の衝撃はあったものの、殆どダメージは無かった。 俺が平気なのを見て、魔術師たちも驚いていた。 土魔法 【砂塵】 俺は魔術師たちの隙をついて魔法を放った。土魔法で砂ぼこりを巻き起こす。 俺はその隙に国境の反対側まで走った。

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