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第23話

(レイスside) 俺は一応、少年に怪我がないかを確かめた。 大きい怪我はしてないけど、やたらと擦り傷とかが多いな。それにこんな装備も武器も無しで森に来るなんて、死にに行くようなものだ。 俺は取り敢えず、地面の平らな所を探してそこまで少年を運んだ。 少年を運び終えてマントを掛けると俺も一息ついた。俺はチラッと眠る少年の顔を見た。 歳は成人してるかしてないかくらいか。彼を抱えたとき驚くほど軽かった。筋肉もついていないし、格好からして冒険者ではない…… なら何故彼はこの森に居るんだ?体に目立った傷は無いし、小綺麗な格好をしてるから奴隷では無いようだ。それにこの少年は突然現れた。何か魔法の類いなのか?……とりあえず彼が起きない事には何も分からないな。 そう思って俺はため息をついた。 結局少年は日が昇るまで起きなかった。あまりにも起きないから少し心配になった。 日の光で少年の顔がはっきり見えてくる。日に照らされた少年の顔は幼い中に大人びた雰囲気がある。白い肌に茶色の髪。 こうしてると、良く作られた人形みたいだな。動かないから余計に生きてる気配がない。 俺はそっと少年の頬に触れてみた。そこから少年の体温が伝わってくる。 俺はその温かさにホッと息を吐いた。 もうしばらくは起きなさそうだな。 そう思って俺は少し辺りを見回ろうと横穴を出た。 横穴から出ると、日の光が目を射す。お俺は眩しくて手で目元に影を作った。 しばらくすると、ようやく日の光に目が慣れてきた。俺は周りに注意を向ける。 周りに魔物の気配は無いな。……少し離れても大丈夫か。 そう思って、俺は森の少し奥まで入っていった。

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