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第24話

(レイスside) 辺りを見回って危険が無いことを確認すると俺は横穴に戻った。 中に入るとあの少年が目を覚ましていた。少年は状況が掴めないのか、少しパニックになってるみたいだった。 「良かった。目が覚めたんだね」 そう声を掛けると、少年は驚いたような表情で見てきた。 もしかして覚えてないのかと思ったけど、少年は『助けてくれましたよね?』と聞いてきた。俺がここはキラータイガーの巣だってことを教えると、少年は驚いてた。 その後少年は戸惑ったように『俺の事見えたんですか』と聞いてきた。俺が『見えてた』と答えると少年は頭を抱えてしまった。 しばらく様子を見てたけど、頭を抱えたまま動かなくなってしまって、気分でも悪くなったのかと心配になった。 俺は少年の顔を見る為に邪魔になってる髪を避けた。そうすると少年はきょとんとした顔で見てきた。 少年の様子を見ると、気分が悪くなった訳では無さそうだ。だけど、顔色がまだ良くないと思った。 俺は少年にもう少し休んでるように言って、食料を探すためにもう一度横穴を出た。 俺が見えてた事に驚いてた。やっぱり魔法か何かで姿を隠してたのか。 ってことは、あの少年は何かから逃げてきた?何の準備も無しにこの森に来たって事はそういう事なのか? 本来、面倒事は避けたいところなんだけど………放って置くわけにもいかないな。 そう思って、俺はため息をついた。 俺がキノコや木の実を集めて横穴に戻ると、あの少年はまた眠ってしまっていた。 さっきまでの死んだような寝かたでは無く、俺のマントにくるまってそれをギュッと握り締めて、時折もぞもぞと動く。その姿が可愛らしく見えた。 この少年の名前聞いてないな。そういえば、俺も名乗って無かった。起きたらまずは自己紹介だな。

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