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第29話
俺たちは休む為に、また横穴の中に戻った。横穴に入るとキラータイガーの死体が目に入った。
「……これどうするの?」
俺はそう聞きながら、横たわるキラータイガーに近寄ってうろうろといろんな角度から監察する。
「討伐確認部位を持ち帰る。キラータイガーの場合は牙だな」
そう言ってレイスはキラータイガーの口を開けてその立派な犬歯を俺に見せてくる。
「他は?キラータイガーは素材にはならないの?」
「素材にならない魔物なんて居ないよ」
じゃあ何で他は残すんだろう。
「キラータイガーはこの通りでかいからな。1人じゃ運べないんだよ」
『勿体無いけどな』とレイスは残念そうに言った。
「俺が運ぼうか?」
「フタバが?それは無理だろ」
「大丈夫」
止めるレイスを横目に俺はキラータイガーに向かって手をかざした。
【無限収納】
スキルを使うと、キラータイガーの周りに魔法陣が浮かび上がる。その瞬間、キラータイガーの体が魔法陣の中に吸い込まれていった。
おぉ~!無限収納ってこんな感じで収納されるんだ。
どうやって収納されてるんだろう。
そう思って俺はステータスを開いてみた。
【ステータスオープン】
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フタバ・カザシロ Lv52
年齢 17歳
職業 賢者
保有魔法
火魔法 Lv10 風魔法 Lv12 水魔法 Lv10
雷魔法 Lv12 土魔法 Lv10 光魔法 Lv10
闇魔法 Lv11 無魔法 Lv10
保有スキル
無限収納(1)
魔法耐性
状態:疲労 興奮状態
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あ、無限収納の横に数字がついてる。これが入ってる数なのかな?中身はどうやって確認するんだろう。
そう思って俺はステータス内にある無限収納の項目に触れてみた。
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無限収納
キラータイガー ×1
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無限収納の項目に触れてみると、ステータスの画面が切り替わって収納内容が表示された。
なるほど、こうやって見れるのか~。
これ、出すときはどうするんだろう?
そう思って俺は今度はキラータイガーの項目に触れてみた。そうするとさっきまでキラータイガーの死体があった場所にまた魔法陣が現れる。その魔法陣の中からキラータイガーが出てきた。
ヤバい!無限収納めっちゃ便利!!
「……おいフタバ?お前、今何した?」
俺が無限収納にはしゃいでると、そうレイスの声がする。
……あ、レイスが居たの忘れてた。
「何って、無限収納にキラータイガーを収納しただけだけど……」
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