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第30話

(レイスside) フタバがキラータイガーを運ぶと言い出した。 俺でも無理なのにフタバが運ぶなんて無理だと言ったけど、フタバは聞かなかった。 まぁ、好きにやらせて無理だと分かったら諦めるだろうと思った。 どうするのかと思って見ていたら、フタバがキラータイガーに向かって手をかざしたかと思ったら、いきなりキラータイガーの周りに魔法陣が現れた。 魔法陣が現れたかと思ったら、キラータイガーの体が魔法陣に吸い込まれていった。 なっ!?何が起きたんだ? 訳が分からずフタバを見ると、フタバは何も無いところで手を動かして何かしてる素振りをしている。 いったい何をしてるんだ? そう思って様子を見ていると、また魔法陣が現れてそこからキラータイガーが出てきた。 「……フタバ?お前、今何した?」 そう聞くと、フタバはきょとんとする。 「何って、無限収納に収納しただけだけど……?」 そう言ってフタバは何を言ってるんだという顔をする。 俺はそんなフタバを見てため息をついた。 「無限収納なんて魔法は存在しない」 そう言うと、フタバは驚いた顔をした。 「え!?無限収納、存在しないの……?」 「あぁ、無限収納を使える魔術師は存在しない。考えてる魔術師は居るみたいだけどな」 フタバは自分を魔術師だって言ってたし、俺もそれを疑うつもりは無かった。でも無限収納は無いだろ。 ただそうなると、さっきキラータイガーが消えたことには説明がつかない。 フタバの言う通り本当に無限収納だったとしたら、フタバは無限収納が使える唯一の存在。それが他の魔術師に知られればフタバが狙われるかもしれない。 ……厄介な事になったな。 そう思って、俺はため息をついた。 「……他は?」 「え?」 「フタバは魔術師なんだろう?他はどんな魔法が使えるんだ?」 そう聞くと、フタバの表情が明るくなった。 「色々使えるよ。まだ試してないこともあるから何処まで出来るか分からないけど、レイスのサポートは出来ると思う」 「……何でも良いから、一回魔法見せて」 「え?うん、分かった」 フタバは頷くと、ポッと光の玉を出した。 その光の玉で洞窟内がほんのり明るくなる。 「これでいい?」 そう言ってフタバはコテンと首を傾げる。 まさかとは思ってたけど、フタバの魔法を見て確信した。そんなフタバに俺は頭を抱えた。

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