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第31話

まさか無限収納が無いとは思わなかった。レイスの話では、マジックバッグとかはあるらしいから、それに入れるのが一般的らしい。でも容量が小さいからあまり入らないらしいけど。 収納魔法を考えてる魔術師は居るけど、まだ誰も成功してないらしい。……ってことは俺、人前ではあまり収納魔法を使わない方がいいのかな。 その後レイスが俺の魔法を見たいって言ったから、光の玉を出した。 光魔法 【光点】 これは電球をイメージした魔法。この世界はあまり明かりが無いからライト替わりで考えた魔法だ。 光点を使った事で洞窟内がほんのり明るくなった。 う~ん、イメージ通りだけどもう少し明るい方が実用的なのかな? そう思ってレイスに聞いてみようとすると、レイスは頭を抱えていた。 「ど、どうしたの!?」 どこか気分でも悪くなったのかな? そう思っていると、レイスがジト目で俺を見てきた。 「………お前、詠唱は?」 「え?」 「今、詠唱無しで魔法を発動させただろ」 「あぁ、必要ないよ。俺は詠唱無しでも魔法が使えるから」 詠唱は元々魔力を動かす補助の為のものだし、詠唱よりイメージの方が大切だから。それに詠唱はさすがに恥ずかしい。 そんな事を考えてると、レイスがまた頭を抱えた。 「……お前、規格外過ぎ」 「え!?俺っておかしいの?」 そう言うと、レイスに睨まれた。 「当たり前だろ!収納魔法もそうだけど、無詠唱で魔法を発動させるなんて普通は出来ない!」 「……そんな事言われても」 出来るものは出来るんだから仕方ない。 でもこの世界に無いのなら、やっぱり気軽に使わない方がいいな。どこまでなら大丈夫なのか見極めなきゃ。 そんな事を考えてると、レイスがまた大きいため息をつく。 「分かった、もういいよ。ところで、昨日この横穴に来たときも何か魔法使ってたろ?」 そう聞かれて、俺は少し考える。 「………もしかして『暗幕』の事?」 「…あんまく?」 「うん、闇を纏って姿を消す魔法だよ。」 『こうやって』と俺は手だけに暗幕を使った。今は光点を使ってるから姿は隠れないけど。 「見ての通り、明るいところでは使えないから要改良ではあるんだけどね」 「あの時もこれを使ってたのか?」 「うん、だからレイスが俺の姿が見えてたことに驚いたんだ」 まぁ原因は過労で魔法が保てなかっただけなんだけど。 ………そういえば、俺のMPってどうなってるんだろう。

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