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第35話
レイスに横穴の中まで引っ張って連れてかれた。そのまま寝かせられて、バサッとマントを被せられる。
「これ、レイスの……」
「良いから着てろ。夜は結構冷えるからな」
レイスはそう言ってそのまま寝転がると、わりかしすぐに眠ってしまった。
レイスも疲れてるのかな。
そう思って、レイスの寝顔を少し眺めた後、俺も目を閉じた。
しばらくして、やっぱり寝れないと思って体を起こす。俺は隣で眠るレイスをチラッと見た。レイスは少し丸まって眠っている。
………寒いのかな。
俺がレイスのマント取っちゃったから。
俺は自分のローブがあるし、マントはレイスに掛けてあげた方が良いのかな。
でもそれだとせっかくのレイスの好意に叛くような気がする。
………何でレイスは俺にここまで良くしてくれるんだろう。レイスが冒険者だから?でも冒険者の中にも良い人ばかりじゃないのは俺も知ってる。
俺は眠るレイスを見て、自然と笑みが溢れる。
これからレオーネまではレイスと一緒なんだ。何が起きるかは分からないけど、レイスの足手まといにはならないようにしなきゃな。
そう思いながら、俺は目を閉じた。
ふと目を開けると外は明るくなってて、隣に寝てたはずのレイスの姿が無かった。
……俺、いつの間にか寝てたんだ。
俺は掛けられてたレイスのマントを綺麗に畳むとそれを持って洞窟の外に出た。
周りを少し見回してみるけどレイスの姿が見えない。
どこ行ったんだろう。
………置いてかれたなんて事、ないよね?
俺は少し不安になって、持ってたレイスのマントをギュッと抱え込んだ。
「フタバ」
そんな事を考えていると、俺を呼ぶ声がした。見るとレイスが居て、俺は無意識にレイスに抱き付いた。
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