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第39話
(レイスside)
俺がAランク冒険者だと言うと、フタバが興奮して迫ってきた。
なんか、昨日もこんな展開あったな。
そう思いながら迫ってくるフタバの顔を押さえて止めると、少しは落ち着いたのか大人しくなる。大人しくなったフタバの様子を見ると、フタバはしゅんとして謝ってきた。
それが可愛く見えて、俺は思わず笑ってしまった。
「ほら、これがギルドカードだ」
そう言ってフタバが見たがったギルドカードを渡した。その瞬間、フタバの表情がパァと明るくなった。でもすぐに表情が雲ってしまった。
「どうした?」
「………読めない」
そう言ってフタバはまたしゅんとしてしまう。
「フタバは未修学だったのか?」
「未修学?」
「文字とかを習ってない者のことだ」
フタバは興奮して我を忘れるところはあるけど、礼儀は弁えてると思ってた。
言葉もしっかりしているし、難しい言葉も理解してる。とても未修学には見えないんどけどな。
「俺が住んでたところでは文字は習ってたよ。でもここの文字は分からなくて…」
「………ちょっとフタバが習った文字を書いてみてくれないか?」
そう言うと、フタバは頷いて近くに落ちてた小枝を拾った。
「なんて書けば良い?」
そう言われて俺は考える。
「………じゃあ、俺の名前を書いてみてくれ」
フタバは頷いて地面に文字を書き始めた。
『レイス』
「書けたよ」
そう言われて見てみると、見たことも無い文字が書かれていた。
「……これ、俺の名前が書かれてるんだよな?」
そう聞くと、フタバは頷く。
やっぱりフタバはおかしい。
見たこと無い服装に使えるはずの無い魔法。それに見たこと無い文字。
フタバは一体何者なんだ……
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