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第41話
「ちょっとのんびりしすぎたな。そろそろ出発するか」
そう言ってレイスが立ち上がる。俺はレイスから隠しながらチラッと腕時計を見ると、既に9時を回っていた。
レイスは片付けをして出発の準備をし始める。俺も焚き火の始末とかしていた。
ある程度準備が終わってふとレイスを見ると、結構な荷物を持ってる事に気付いた。
「いつもそんなに荷物持つの?」
色々入ったリュックをドサッと地面に置くレイスにそう聞く。
「1日2日の場合は殆ど持たないけど、今回みたいに長期の依頼になると色々とな」
『本当は持たない方が良いんだけど』とレイスは言う。
そうか、レイスは魔力を持たないからマジックバッグが使えないんだ。
「俺が持とうか?」
そう言うと、レイスがきょとんとする。
「ほら、俺は無限収納があるからそれに入れれば」
『良いんじゃないか』と言おうとすると、レイスが微笑んで頭を撫でてきた。
「ありがとう。じゃあ頼もうかな」
そう言ってレイスに荷物を渡されるけど、その荷物が重すぎて俺には持ち上がらなかった。
俺は無限収納にレイスの荷物を入れる。無限収納に入れちゃえば重さなんて関係ない。本当無限収納便利だな。
そういえば、収納魔法って大抵入れたものの時間が止まるって設定が多いけど、俺のはどうなんだろう。時間停止機能がついてれば食材とか買いだめして入れておけるよな。………ちょっと試してみるか。
そう思って俺は適当な草を摘んで一緒に無限収納に入れた。
これでしばらく置いとこう。この草が枯れてれば時間停止機能付いてないし、枯れてなければ付いてる事になる。どういう結果になるかちょっと楽しみだ。
そう思ったら自然と笑みが溢れた。
「……何笑ってるんだ?」
ニヤニヤと笑ってる俺にレイスがそう言って訝しげに見てくる。
「な、何でもないよ。それよりもう行けるよ」
俺は慌ててそう誤魔化すけど、レイスは納得いかないというような顔をする。俺はそれ以上誤魔化す方法がなくて困ってしまう。そんなに俺を見てレイスがため息をついた。
「まぁ良い。それじゃ出発するか」
そう言ってレイスが俺の頭を撫でる。
「うん!」
俺もそれに頷いた。
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