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第44話
(レイスside)
俺が進むと、フタバはとぼとぼと後を着いてきた。
どこでどう過ごしてきたのかは分からないけど、フタバは世間知らずだ。昨日今日見ただけの判断だけど、フタバは世間の事を何も知らないように見える。かといって、冒険者や魔法の事とかはよく知ってるように見えた。本当にフタバは不思議だ。
とはいえ、いきなりゴブリンの前に出ていくとは思わなかった。俺も咄嗟だったとはいえ、ちょっと言い過ぎたか。
そう思ってフタバを見て俺はギョッとした。
「フタバ!?」
フタバは立ち止まって、その目からはボロボロと涙を流してる。
「フタバ、どうした!?」
なぜ泣いている?どこか怪我したのか?
そう思ってフタバに駆け寄って様子を見ると、フタバが俺の服を掴んできた。
「……らないで………」
フタバが何かボソッと呟く。でもそれはあまりに小さい声で、聞き取ることが出来なかった。
「……フタバ?」
俺はどうしたら良いのか分からなくて戸惑ってしまう。フタバも俺の服を掴んだまま泣くばかりだ。
「フタバ、大丈夫だから。少し落ち着け、な?」
そう言って俺はフタバの背中をポンポンと叩いた。
俺はとりあえず、フタバを座らせる。
結局、フタバが何を言ったのかは聞けないままだった。
なぜ泣いてるのかも分からない。
フタバが服を掴んだまま離さないから、俺は抱き締める形でフタバが落ち着くのを待った。
なかなか泣き止まないフタバを宥めていると、泣き疲れたのかいつの間にか寝てしまっていた。
俺は寝てしまったフタバを見てため息をついた。
一体何なんだ。フタバは行動があまりにも幼すぎる。17だって言ったけど、それも正直怪しい。
俺はもう一度フタバを見て、まだ残ってる涙を指で拭き取った。
今まで俺の回りには居なかったタイプだ。急に興奮して暴走したり、突然泣き出したり。
………こんなのどう扱えば良いんだ。
そう思って、俺はまたため息をついた。
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