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第48話
俺たちがレオーネに向けて出発してから既に5日経っていた。
予定では3日くらいで着くはずだったけど、大幅に遅れていた。
まぁ、遅れてる原因は俺のせいなんだけど………
「………もう、ムリ…」
当然2・3日で体力がつくわけも無く、俺は連日の森歩きで完全に動けなくなっていた。
「大丈夫か?」
そう言ってレイスが覗き込んでくる。
「……ごめん、予定よりかなり遅れちゃってるよね」
「確かに遅れてはいるけど、別に急いでる訳でも無いからな。そんな気にしなくて良い」
そう言ってレイスは俺の頭に手を置く。
「今日はここでゆっくり休もう」
「良いの?」
「良いも何も、動けないんじゃどうしようもないだろ」
そう言ってレイスは困ったように笑った。
「……ごめん」
「謝らなくていいよ。俺は何か食べられそうな物探してくるから、フタバはここで休んでろ」
そう言ってレイスはまた俺の頭を撫でた。
俺は食べ物を探しに行くと言ったレイスを見送って、レイスのせいで乱れた髪をサッと直した。
レイスってよく俺の頭を撫でるけど、頭撫でるの好きなのかな?
俺はチョイチョイと自分の髪を触る。
頭を撫でられるのが嫌な訳じゃないけど、やっぱり子供扱いされてるのかな。
そう思ったら少し気持ちが沈んだ。
そんな事を考えていると、突然茂みの奥からガサッと音がした。
俺はその音に思わず体が跳ねた。
なっ、何!?何か居るの!?
そう思って、俺は音のした方を凝視した。
しばらくすると茂みの中から何かが飛び出してきた。
身構えていると茂みから出てきたのは、ウサギ程の大きさの動物だった。
何、あれ!?ウサギ?でも角生えてるし………
そこまで考えて俺はピンときた。
あっ!あれってもしかしてホーンラビット!?
ホーンラビットも異世界系では結構ポピュラーな魔物だ。
この世界にも居たんだと思って、俺はテンションが上がった。
ホーンラビットは少し離れた場所でひくひくと鼻を動かしながら何かを探してる。
あの子触れないかな。あ、でもホーンラビットって作品によっては狂暴って設定もあるんだよね。この世界のホーンラビットはどうなんだろう?
そう思って、俺はホーンラビットの様子を伺った。
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