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第51話

俺は丸一日休んだのと、ホーンラビットに癒された事で次の日には動けるようになっていた。 レイスは今、朝食の準備をしている。メニューは昨日レイスが摂ってきたメリルの実とそれと一緒に摂ってきたキノコのスープ。後は保存が効く少し硬めのパン。 俺が手伝うと言ったら、大人しくしてろと怒られた。俺は仕方なく、ホーンラビットと一緒に言われた通り大人しくその様子を見ていた。 レイスはスープを作るために火をおこそうとしていた。 レイスは魔力を待ってないから魔法を使って火を着けるのは無理だ。俺はどうやって火を着けるんだろうと思って見ていた。 レイスは腰に着けたバッグから小さな石を取り出す。それを薪にかざしたかと思ったら、その石が光って薪に火が着いた。 「え!?今、何したの?」 そう聞くと、レイスはきょとんとする。 「…何が?」 「今どうやって薪に火を着けたの?」 「あぁ、これだよ」 そう言ってレイスは手に持った小さな石を見せてくる。 その石は1cmくらいの小さな石で、赤みがかっている。 「……これって、魔石?」 魔石は魔物から取れる魔力を含んだ石。 取れた魔物の種類やその大きさにもよって違うけど、魔道具とか色々な用途に使われる。 こういった世界では結構重要なアイテムだ。 「これは魔石じゃない。魔力石だ」 「魔力石?」 「色々な属性の魔力を固めたものだ。これを使えば俺みたいに魔力を持たない者でもこうやって簡単に火を着けたり出来るんだよ」 そう言ってレイスはさっき火を着けた薪に視線を向ける。 ………ライターみたいなものかな。 「それ見ても良い?」 そう聞くと、レイスは魔力石を手渡してきた。 「ほら」 俺は手渡された魔力石を目の前に持ってきてマジマジと監察する。 見た感じはただの石みたいだ。 「これってどうやって使うの?」 「指で少し擦ってやれば良い。そうすると石が光るから、光ったら燃やしたい物に近付ければ火が着く」 レイスの話では、魔力石は含まれてる魔力が無くなれば砕けて無くなってしまうらしい。 使える回数は石の大きさに比例するみたいだ。当然ながら大きければ大きいほど回数使えるけど、かなり高いらしい。 魔力石は魔力を固めて石にしたもの。 これ、俺にも作れるかな? ………俺にも作れればレイスの役にたつのかな。

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