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第54話

(レイスside) フタバは少し動いただけですぐに疲れてしまう。体力が無いにも程がある。 フタバが限界そうだったから、今も休憩の真っ只中だ。フタバは疲れて項垂れていた。 まぁ、昨日まで動けなかったんだから仕方ないのかもしれない。 まだ体力がちゃんと回復してないんだろう。それでも必死に俺に着いてこようとしている。 フタバは弱音はたまに吐くけど、諦めようとはしない。 根性はあるし向上心もあると思う。まぁ、その意欲が別のところに向かってる気がしないでもないんだけど…… 休憩を終えまたしばらく歩くと、ようやく森の終わりが見えた。ここを抜ければ国境はすぐそこだ。 何とか無事に着いたな。 そう思った瞬間、後ろからドサッと何かが落ちるような音がした。 見ると、フタバが倒れていた。 「フタバ!?」 倒れてるフタバに駆け寄って呼び掛けても反応がない。抱き起こすと、フタバの意識は完全に無かった。 俺はフタバの額に触れてみる。そうすると、異様な熱が伝わってきた。 熱が高くて呼吸も荒い。 いつからだ?フタバはいつから体調を崩してた? 休憩した時は疲れていたものの、体調が悪いようには見えなかった。 ならその後に体調の変化があったのか?………でもこんな急に? そこまで考えて、俺はふと思い当たってフタバの体を調べた。 まずは足を確認する。 ……ここには無い。 次は袖を捲って腕を確認した。 袖を捲った瞬間、俺は眉をよせた。 フタバの腕には小さな切り傷があった。 その傷口は赤黒く変色している。 ……やっぱり何かの毒か。 俺は腰のバッグから水の魔力石を取り出した。それを一気に砕いて傷口を洗う。 それでも十分には洗えなかった。 やっぱりこんな小さな魔力石じゃ駄目か…… 荷物の中に水筒があるけど、今はフタバの無限収納の中で取り出すことが出来ない。 フタバの様子を見ると、また熱が上がってるように見えた。 このままじゃフタバが持たない。あまり時間は掛けてられないな。 そう思って俺は傷口に布を巻くと、フタバを抱えてレオーネまで走った。

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